「VCスタートアップ健康保険組合」の目的
「VCスタートアップ健康保険組合」は、スタートアップおよびVCで働く人のための健康保険組合。VCとその投資先スタートアップの従業員および家族の中長期での健康増進、医療費削減、社会保険料の負担増加の抑制を目指します。また、一般企業と比較しデジタル化が遅れている健康保険組合の業務において、スタートアップの強みを生かしたDXの推進、人事労務業務の負担軽減に取り組み、費用対効果の最大化を実現する構えです。
さらに、精神疾患や出産子育て支援など20代・30代を中心とするスタートアップ業界の従業員に求められる保健事業を展開予定です。
27社のVCが支援、スタートアップ330社以上が加入意向
一般社団法人VCスタートアップ労働衛生推進協会は、VCとその投資先スタートアップの産業保健および労働衛生水準の向上を目的として、2022年12月26日に設立。今回「VCスタートアップ健康保険組合」設立へ向け、すでに27社のVCから支援を受けており、その投資先であるスタートアップ企業330社以上が加入の申し込みをしているそうです。
スタートアップを取り巻く状況の変化
「VCスタートアップ健康保険組合」を設立する背景には、スタートアップを取り巻く状況の変化があります。フレキシブルな勤務形態も多いスタートアップ企業では、働きやすさや福利厚生などの観点で人材の採用や定着に尽力しています。一方、従業員の健康増進や疾病予防という産業保健の観点や人的資本経営の観点で大企業と比較すると、手厚い体制が整えられているとは言い難い環境だといいます。
近年ではスタートアップにおける労働衛生上の水準を業界全体で引き上げるための仕組みが求められていますが、成長フェーズのスタートアップでは、これらの業務を担うリソース不足が課題となっています。
このほか、政府のスタートアップ育成5ヵ年計画でスタートアップへの人材流動性を高める方針が示されたことや、女性の社会進出の増加を受けて女性向けのより手厚い支援が求められていることなども、設立を後押ししているようです。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000124103.html
(文・Higuchi)