そして、ChatGPTをはじめとする生成AIについて、職員が業務で活用する際のルールを定めた条例改正を実施。Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを活用した同市独自の利用環境の構築を指定しました。
これに伴い、2023年6月23日(金)~9月22日(金)の期間、神戸市職員約100名を対象に、試行利用を実施します。
安全性が確認できない生成AIへの情報入力を制限
神戸市は、2023年5月24日(木)に、職員が業務で生成AIを活用する際のルールを定めた条例改正案を可決・成立したと発表しています。これにより、「神戸市情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」において、安全性の確認されていない生成AIに、個人情報をはじめとする機密情報の入力を制限する条項を追加しました。
なお、同市の調べでは、生成AIの利用ルールを条例で定めるのは全国初の取り組みです。
Azure OpenAI Serviceを活用した利用環境の構築を指定
神戸市は、個人情報などの保護の観点において、安全性が確認されたものとして、Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを活用した同市独自の利用環境の構築を指定しました。Azure OpenAI Serviceとは、Microsoft社との契約により、ChatGPTと同じAIモデルを安全なAzure環境で利用できるサービスです。
試行利用を経て本格利用を検討
今回、神戸市はChatGPTの試行利用を開始。試行利用の目的は、「ChatGPT活用方法のアイデア収集や有効活用のための知識・経験の蓄積」および「ChatGPTを業務利用するにあたっての課題や問題点等の収集」です。ただし、神戸市情報公開条例第10条各号に掲げる情報については入力しません。
試行利用する職員は、「Microsoft Teams」を活用して、Azure OpenAI Serviceを使用。また、これらの連携アプリについては、職員が内製することで実現しました。
この試行利用を経て、本格的なChatGPTの利用を検討するとのことです。
利用ガイドラインなどを自治体・団体向けに公開
神戸市は、今回の試行利用の開始にあたり、条例で定める禁止事項や利用にあたっての注意事項、上手な活用法などをまとめた「利用ガイドライン(試行用)」を策定。今後、国のガイドライン策定などの動向も踏まえて、適宜改訂を進める方針です。また、利用ガイドライン(試行用)および独自利用環境用に開発したアプリのテンプレートを、ChatGPTの利活用に取り組む自治体・団体向けに公開しました。
生成AIを安全な環境で利活用するためのノウハウを共有することで、生成AIの適切な利活用の推進と市民サービスの向上を目指します。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000120995.html
(文・Higuchi)