この「RecoHand」は、二次元通信によるRFID管理技術を活用した物品管理システムである「レコピック」(*2)および「レコファインダー」(*3)を展開する「Reco シリーズ」の技術コンセプトをもとに開発されています。
*1 RFID…Radio Frequency Identification の略。電波や電磁波を用いて、非接触でタグの情報を読み書きする自動認識技術
*2 レコピック…対象物の出入りやロケーションの管理を正確かつ効率的に支援する常時管理システム
*3 レコファインダー…目的外の対象物の誤検知を回避しながら、管理対象物に貼付されたICタグの通過を正確に検知する通過検知システム
バーコード読み取りの効率化が求められるいま
アパレルや医療など、さまざまな業界の物流現場において、商品の棚卸や入出庫を中心に業務効率化を目的としたICタグの活用が広がっている近年。ハンディ型RFIDリーダーを使用して一括で大量にICタグを読み取ることで効率化が進んでいる一方、仕分けやピッキングなど個品単位で管理が必要とされる作業においては、主にバーコードが利用されているといいます。
しかし、バーコードの読み取りには、レーザーを個品一つひとつに対して照射する必要があり、「触れる」「持つ」「運ぶ」といった作業と同時に行うことができないため効率化のニーズが高まっているようです。
そんななか、帝人フロンティアは、手に装着して人差し指の内側でICタグをピンポイントで的確に読み取ることが可能なUHF帯ウエアラブル型RFIDリーダー「RecoHand」を開発しました。
対象ICタグのみを読み取る
「RecoHand」は、帝人フロンティア独自のRFIDシステム技術を活用し、人差し指の内側0~30mmの近傍読み取りを可能にするというもの。「触れる」「持つ」「運ぶ」といった一連の仕分けやピッキング作業を行いながら、対象ICタグのみを読み取りできるため、従来のバーコードを利用した場合と比較して、仕分けやピッキング作業に要する時間を50%(*4)短縮します。
*4…内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービスにおける実証試験結果
超極細繊維の使用でフィット感を向上
「RecoHand」本体の肌側に超極細繊維“ナノフロント”を使用することで、フィット感が向上し、作業時に安定感のある使い心地を実現します。また、表地には形態安定性を有するポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維“ソロテックス”と、緻密で堅牢性を有する“デルタ”を用いるとともに、撥水加工も施しており、耐久性と実用性を兼ね備えています。
なお本体はリーダーライターを取り外して、家庭洗濯が可能です。
物流・医療現場でのピッキング・仕分け用途に向け展開
帝人フロンティア株式会社は2023年6月から、物流・医療現場におけるピッキングや仕分け用途向けに「RecoHand」の展開を開始します。その後、製造現場における物品や工程の管理、小売業界の決済用途および、書籍管理などに順次、拡販を図っていくとともに、海外へも展開し、2030年度に国内外で10億円の売上を目指すとのことです。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000102243.html
(文・Haruka Isobe)