2023年6月7日に、沖縄県伊平屋島にて「空飛ぶクルマ」の試験飛行に成功したと発表しました。
AirXによると、離島間の移動を目的とした実証は国内初で、海上を飛行して2地点間を移動する試験飛行の成功は国内のみならず、アジア初であるとのことです。
「空飛ぶクルマ」の社会実装が求められる近年
MaaS(サービスとしての移動)や自動運転車、バイクシェアや電動キックボードなど、人の移動を担う新たな概念や技術が導入されており、人やモノ移動に関する概念が変化してきている近年。「空飛ぶクルマ」は、陸に比べて活用が進んでいない“空”での移動を担う新モビリティであり、普及が進めば都市部での渋滞緩和、CO2 排出削減といった社会課題の解決に寄与するものとして期待されています。
日本では、AirXも参加する「空の移動革命に向けた官民協議会」を中心に、2025年の大阪・関西万博をひとつのマイルストーンとして「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた官民一体となった取り組みが進められています。
往復約2kmで海上2地点間を飛行
こうした背景のなか、2023年6月7日にAirXらは沖縄県伊平屋村 米崎キャンプ場〜野甫浦港付近にて「空飛ぶクルマ」の試験飛行を実施しました。試験では、AirXが所有する「空飛ぶクルマ」の“EHang216”が、米崎キャンプ場〜海を隔てた野甫港までの海上2地点間を飛行。飛行距離は往復約2kmとなりました。
従来までの飛行試験は、限定的なエリアの中で実施されてきましたが、今回の試験飛行は離島などにおける本格実装に向けた一歩となるでしょう。
本格的な社会実装に向けて
今回の試験飛行を通して、4社は今後の本格的な社会実装に向け、以下の5つの事項を検証しました。1.海上を含む2地点間飛行を行った際の運用上の課題等を把握すること
2.空飛ぶクルマの離着陸場の計画、設計に関する知見を得ること
3.空飛ぶクルマの離着陸場の運用を検討するに必要となるデータを取得し、課題を把握すること
4.空飛ぶクルマの環境負荷(騒音等)を把握すること
5.空飛ぶクルマの導入による社会的効果を試算すること
4社は今回の試験飛行で得た知見を活かし、全国各地での実証実験の実施や商用運航に向け、ヘリコプターを用いた市場調査を通して、「空飛ぶクルマ」の社会実装に前進していく方針です。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000028531.html
(文・Haruka Isobe)