静脈のパターンを使って個人を正確に特定
静脈認証とは、人によって全く異なっている静脈のパターンを使って個人を正確に特定する方法です。
フィルム状にした指紋センサーはすでにスマートフォンや医療機器などで使われていますが、指紋による認証は偽造されるリスクがあるほか、ウェット、乾燥や加齢といった指自体の環境変化の影響を受けやすいといいます。
また、顔認証については登録への抵抗感、SNSなどインターネットから写真を抜粋、加工しての悪用、そのほかプライバシー問題が顕在化されているとのこと。
それに比べて、人為的に変化を加えることが難しい皮膚の内部情報を使う静脈認証は、最も安心で利便性の高い生体認証方式と言われ注目を集めています。
薄型フィルム状のセンサーで静脈認証
従来の静脈認証プロセスにおいては、光学レンズを使用してイメージセンサーに集光しているため、安定した静脈画像を撮るには数センチ程度の焦点距離が必要でした。
そこで今回、モフィリア社はISORG社の持つ高いOPD(有機発光ダイオード+ TFTバックプレーン)技術と光学制御、それに同社の独自静脈認証技術を組み合わせ、極薄での認証を可能にしました。
多様な製品展開が可能
本センサーは、モフィリア社独自の反射散乱方式*1により、静脈に照射する近赤外LEDをフィルムセンサーと同一平面上に配置できるため、より多様な製品展開が可能です。
すでに複数のメーカーとの協業を進めており、早ければ1年内の商品化を目指しているとのこと。また、本センサーを搭載するデバイス形状や用途により、センサーの大きさや性能、そのほか様々な要望にも柔軟に対応するといいます。
反射散乱方式*1…ソニー株式会社で開発された独自の認証方式で、LEDから発光された近赤外光を静脈にあて、体内で散乱した光を効率的に撮像し静脈を読み取るもの
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000115123.html
(文・Haruka Isobe)