このような問題を背景に、北海道・恵庭市では、「what3words(ワットスリーワーズ)」を試験導入しました。「what3words」はwhat3words Limited.(本社:イギリス・ロンドン、共同創立者兼CEO:クリス・シェルドリック)が提供する位置情報技術。同社によれば、「what3words」を日本の地方自治体で導入するのは今回が初めてとのことです。
同技術の採用により、問題が発生している位置をたった3つの単語で正確に特定できるようになり、住民の報告プロセスの改善が期待できるといいます。
あらゆる位置をピンポイント伝達
「what3words」は、非常に正確な位置情報を他のユーザーと共有できます。世界を3メートル四方に分割し、それぞれのマス目に3つのランダムな単語の固有の組み合わせによる「what3wordsアドレス」を付与して動作する仕組みで、配車アプリやeコマースのチェックアウトなどでの使用を想定しています。
アドレスは、建物の入り口、ゴミ箱、道路のくぼみの位置、さらに公園やビーチの待ち合わせ場所など、あらゆる場所に割り当てられ、これらを活用することで各ロケーションの説明やナビ表示を容易に行えます。
たとえば「///ちいき。ぎんだら。びしょう」という3つのワードの場合、恵庭市の観光スポット「はなふる」内散策路のある特定の地点を表しているとのこと。
what3wordsの導入は日本各地で急速に進められており、レストランやホテルでは、what3wordsアドレスを掲載して利用客がその場所を簡単に見つけられるようになっています。
また同サービスは音声入力用に最適化されており、エラー防止機能が組み込まれているので、入力ミスを即座に特定して修正します。さらに昨年末には、株式会社SUBARUが同社の新型クロストレックにおいてwhat3wordsの日本語音声入力を実現しました。
今回恵庭市では、市民の報告プロセスを改善し、地域の景観を維持するために「what3words」を導入。同技術を使用して市民から各種報告が行われることで、市の担当者が現場の正確な位置を特定できるようになります。
日本における普及拡大に大きな可能性
what3wordsの日本ビジネス開発担当の岩井新氏は、「what3wordsは、今日の生活や明日のテクノロジーに必要とされる優れた精度をもたらしており、日本における普及拡大に大きな可能性を感じています。恵庭市との協力によって、市民が地域の問題発生現場の正確な位置を簡単に報告でき、市の担当者が一時も早く現場の位置を特定して対処できるようになることを誇りに思います」と述べています。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000089785.html
公式サイト:https://what3words.com/
(文・S.Inosita)