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AI搭載の咽頭内視鏡システム「nodoca」、藤田医科大学総合診療プログラムに導入

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アイリス株式会社(以下・アイリス)は、AI搭載の咽頭(のど)内視鏡システム「nodoca」が、藤田医科大学総合診療プログラム(以下・藤田総診)に2023年5月19日より導入されたと発表しました。導入施設は豊田地域医療センターです。

総合診療においては、年齢や性別、症状を限定せず患者を診療することから、丁寧な身体診察が欠かせないといいます。nodocaの導入により、咽頭をクリアで鮮明に撮影・閲覧することで研修医や若手の医師の視診技術の向上が期待されています。

インフルエンザの診断に活用


nodocaは、咽頭の画像と問診情報などをAI解析し、インフルエンザに特徴的な所見などを検出することでインフルエンザの診断に用いるAI医療機器です。

nodocaのAIアルゴリズムは、のべ100以上の医療機関、10,000人以上の患者の協力のもと収集された、50万枚以上の咽頭画像データベースを元に開発されています。

また、AI解析に適した咽頭画像を撮影するための専用カメラをアイリスで独自に設計・開発しており、口腔内・咽頭をクリアに撮影します。

熟練医の視診をAIで再現


インフルエンザ濾胞(ろほう)がインフルエンザの診断に有用であることは日本人医師である宮本昭彦医師の発見と報告(※1)により知られていました。

しかし、インフルエンザ濾胞を視診のみで高精度に見分けるには熟練の医師による判断が必要とされていました。そこでアイリスは、このような熟練医の視診をAIで再現すべく、nodocaを開発しました。

nodocaは、咽頭カメラとAIによって、患者の身体的負担が少なく効率的なインフルエンザウイルス感染症検査が実現できるだけでなく、クリアで鮮明な咽頭画像を検査時や事後に閲覧することが可能です。そのため、咽頭カメラ単体でも日常の診察において大きな価値を発揮します。

今回は咽頭カメラとしてのnodocaの可能性が大きく評価され、藤田総診に導入されたとのことです。

(1)宮本昭彦, 渡辺重行. 咽頭の診察所見(インフルエンザ濾胞)の意味と価値の考察. 日大医誌. 2013; 72 巻1 号: 11-18.

咽頭カメラとして評価され、藤田総診に導入


藤田総診は、藤田医科大学連携地域医療学講座室長である大杉泰弘医師が「教育の力で医師を育て、地域そして世界を変革する」という理念のもと設立した研修プログラムです。

大杉医師はnodocaについて、「発熱外来においてインフルエンザはコロナと同時に重要な感染症です。nodocaによって非侵襲的に診断に寄与できることは、今後の感染症診療を大きく変える可能性があると感じております。」とコメントしています。

アイリス株式会社について


アイリスは、「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」をミッションに掲げ、深層学習(人工知能)の技術を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化するAI医療機器を開発しています。

現役医師でもある創業者沖山翔をはじめ6名の医師を含む9名の医療従事者、厚生労働省・経済産業省出身者、AI医療領域に特化したデータサイエンティスト、大手医療機器メーカー出身者など多数のプロフェッショナルが揃い、医療現場、技術(ハードウェア・ソフトウェア・AI)、法規制を深く理解したうえでAI医療機器をスピーディに開発する体制を構築しています。

2019年には経済産業省推進の「J-Startup」に選出され、2022年にはForbes Japanより「世界&日本のインパクト企業100」に、東洋経済より「すごいベンチャー100」に選ばれるなど高い評価を受けています。アイリスは、2023年までに総額約47億円の資金を調達し、これまでの開発を進めていくとのことです。

参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000035813.html

(文・杉本 旭)

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