太陽光で蒸気を発生させる、特殊なスポンジ構造
マサチューセッツ工科大学のDepartment of Mechanical Engineeringに所属するHadi Ghasemi氏らの研究チームでは、黒鉛と泡状炭素から成る特殊なスポンジを用いて太陽光発電をおこない、蒸気を発生させるという研究を進めている。
研究チームでは、水を吸い込み、水面から蒸気を発生する、特殊な構造を発見した。スポンジは黒鉛と泡状炭素の2層構造になっている。上側の層は、7秒間マイクロ波にさらされて膨張、発泡化した黒鉛でできている。下側の層は、空気を含んだ泡状炭素から成り、これのおかげでスポンジが水に浮かぶことができるようになっている。
スポンジに太陽光が当たると、黒鉛の層に熱点が生じ、泡状炭素の層を通って水が吸い上げられる。水滴が黒鉛に接触すると、ただちに蒸気を発生する、という仕組みだ。
変換効率も上々、電気のない地域でも
この蒸気スポンジは、太陽光を85%の効率で蒸気に変換することができるという。このような研究が実を結べば、太陽光しかエネルギー源をもたない遠隔地に居住する人々たちに、蒸気で熱処理した、衛生的な水を提供することが可能になる。
また従来のような、平地に鏡やレンズを配置して太陽光を集めるようなシステムよりも扱いやすく、コストをグッと抑えることもできるだろう。
ただし、黒鉛の層が塩分によって働きを妨げられてしまうのが難点であり、研究チームでは改善策を模索しているという。とはいっても、大規模で複雑な構造は不要、導入がしやすい蒸気衛生システムの存在価値は限りなく大きいはずだ。
MIT solar steam generation