本シリーズCでは、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社をリード投資家として既存投資家に追加。新規投資家11社の合計17社を引受先とした105億円の調達を実施しました。これにより、同社の累計資金調達額は122億円となります。
調達資金は、核融合炉周辺装置やプラントの研究開発のほか、トップレベルエンジニアやビジネスパーソンの採用などに使用される予定です。
事業拡大やガバナンス強化にも資金を使用
京都フュージョニアリングは、京都大学の長年にわたる核融合研究の成果に基づき2019年に設立された、プラントエンジニアリング企業。核融合炉周辺およびプラントに必要な機器・システムの研究開発を実施しています。
フュージョンエネルギーの産業化に向けた事業を他企業・研究機関と協業して推進しており、機器、部材等の国内外でのサプライチェーン網を構築することを目的とした、様々なステークホルダーとの協業も行っています。
なお今回調達された資金は、研究のほか、米国・英国を拠点とした事業拡大やガバナンス強化にも用いられるとのこと。
エネルギー問題や環境問題の解決策として注目
フュージョンエネルギーとは、太陽や恒星が輝くエネルギー源であり、軽い原子核同士(重水素、三重水素)が 融合して別の原子核(ヘリウム)に変わる際に放出されるエネルギーの名称です。
燃料は海水中に豊富に存在し、また発電の過程において二酸化炭素が発生しないことから、エネルギー問題と地球環境問題(カーボンニュートラル)を同時に解決できる、次世代エネルギーとして期待されています。
現在、核融合実験炉を実現しようとする国際プロジェクト「ITER」が進められているほか、諸外国ではフュージョンエネルギー分野に対する民間投資も増加。
日本でも、2022年9月より「核融合戦略有識者会議」が開催されており、2023年4月には政府の統合イノベーション戦略推進会議が「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を決定しました。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000072520.html
公式サイト:https://kyotofusioneering.com/
(文・S.Inosita)