これを踏まえて、株式会社JX通信社(以下、JX通信社)と佐賀県嬉野市は、JX通信社が提供する無料アプリ「NewsDigest」とAIリスクサービス「FASTALERT」を活用した防災訓練を2023年4月23日に実施しました。
JX通信社らは、FASTALERTを公助の強化ツール、NewsDigestを自助・共助の強化ツールと位置づけ、被害状況の報告・把握の手順の確認や有用性の検証を行いました。
報道価値の高いニュースをAIで速報提供
NewsDigestは、報道価値の高いニュースをAIで速報提供するニュースアプリです。NewsDigestの情報提供機能では、ユーザーは身の回りのリスク情報を投稿することができます。
また、NewsDigestから投稿された情報やTwitterなどのSNSに投稿された情報は、デマ情報を自動的に排除するAI危険情報リアルタイム配信サービスのFASTALERTで解析された後、NewsDigestでリアルタイムに閲覧することができます。
AIがSNSから情報を収集・配信
FASTALERTは、AIがSNSをもとに災害、事故、事件などのリスク情報を収集し、配信するWebサービスです。
2016年9月のリリース後7ヶ月で、FASTALERTは全ての⺠放キー局とNHKで採用され、各局のニュース番組における「視聴者が提供する動画」の定着の原動力となりました。
2018年には日本新聞協会技術開発奨励賞を受賞。現在は全国の大半のテレビ局や新聞社に採用され、警察、消防、自治体、一般企業などでも幅広い導入実績があります。
NewsDigestで被害状況の報告を実施
今回の訓練では、嬉野市に在住する行政区長や消防団などの協力を得て、事前に作成した訓練投稿シナリオに沿ってNewsDigestを利用した被害状況の報告を実施。その結果、169件の報告を受けることができました。
今回の訓練では様々な年代の方が参加。JX通信は、NewsDigestを利用した状況報告の流れが機能することを確認できたといいます。
FASTALERTを利用した被害状況の把握
また、今回の訓練では嬉野市役所の塩田庁舎に設置した災害対策本部事務局にて、FASTALERTなどを利用して被害状況の把握を行いました。
“行政区長や消防団がNewsDigestで報告した情報”がFASTALERTに自動で集約され、その情報を参考にしつつ、GISやクロノロジーシステム上で情報を一元管理したうえで情報のトリアージを実施。
JX通信社が訓練に参加した嬉野市職員に感想を伺ったところ、「リアルタイムかつ視覚的な被害状況を把握する手法」として有効である旨のコメントが多く寄せられたとのことです。
「身近な情報のリアルタイム共有が大切」
JX通信社の執行役員兼NewsDigest部長の田中さんと、公共戦略部課長の広兼さんは「水害・地震災害に立ち向かっていくため、人的被害を極力軽減するためには、『身近な情報を皆でリアルタイムに共有できていること』が重要」とコメント。
また「NewsDigestを利用いただくことで避難行動が迅速化・円滑化され、結果的に人的被害が軽減できるよう、今回の検証結果を踏まえて日々改善に努めてまいります」と述べました。
JX通信社は、FASTALERTについても、行政職員の業務効率化にさらに寄与できるよう改善に努めていくとのことです。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000005993.html
「FASTALERT」公式サイト:https://fastalert.jp/public
「NewsDigest」公式サイト:https://ugc.newsdigest.jp/about
(文・杉本 旭)