国土交通省の調査によると、外国人観光客が多言語表示・コミュニケーションで困った場面として、鉄道駅や城郭、神社仏閣などを挙げており、「今いる駅から目的地までの行き方の特定」や「歴史・文化に関する説明を読む」といったシーンで苦労することが多いそうです。
そんな中、株式会社デザイニウム(以下、デザイニウム)は、「ChatGPT」を活用した観光案内アプリ「観光ARコンシェルジュ(仮称)」の本格開発を開始しました。AIによる音声応答やARナビゲーション(*1)を通じて、新しい観光体験をサポートします。
*1…現実世界の映像に重ねて、現在地や周辺の観光スポットなどの情報や案内を表示する技術
「ChatGPT」が観光スポットの案内やルートを作成
「観光ARコンシェルジュ(仮称)」は、カメラの画像など視覚的な情報を用いて、デバイスの位置情報を正確に特定する「Visual Positioning Service」技術を使用。現在地を測定し、最適な観光ルートを生成します。
位置情報との連動には「Google Geospatial」、観光スポットの案内やルート作成を行うAIとしては「ChatGPT」が導入されています。移動時にはAIの音声応答とARナビゲーションにより、テキストや音声で情報を提供し、新しい観光体験を実現します。
アプリの機能は今後拡充される予定で、観光資源のデータベースや、位置情報と時間帯などの情報を複合的に活用する計画とのこと。
なお、YouTubeでは「観光ARコンシェルジュ(仮称)」の紹介PVが公開中。PVでは、AIがツアールートを提案する様子や、AIが機械音声で建物の概要を説明する様子などを確認できます。
実証実験の協力自治体・企業を募集中
デザイニウムは2023年5月現在、「観光ARコンシェルジュ(仮称)」の本格的な開発と実証実験に協力してくれる自治体や観光協会を募集しています。
実験では「年代、季節、時間帯、趣味嗜好など利用者の情報に応じたおすすめルートの提示」や、「天候や時間帯に合わせた適切な観光プランを生成」といった運用テストが行われる予定です。
「観光ARコンシェルジュ(仮称)」の正式版がどのようなアプリになるのか。期待しつつ続報を待ちたいところです。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000043186.html
公式サイト:https://www.thedesignium.com/
(文・S.Inosita)