文部科学省の新学習指導要領では、子ども一人ひとりの特性に合わせた学習が推進されており、従来型の一律の宿題は廃止し、家庭主体の「家庭学習」へとシフトする動きが出ています。
家庭が学習習慣の定着を図る役割を担うことも期待されており、今後、家庭学習の重要性がますます高まっていきそうです。
そんな中、コクヨ株式会社と岐阜市立岐阜小学校は、家庭学習が習慣化しづらい小学校低学年を対象に、IoT文具を活用した実証実験を開始しました。
コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」
IoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、市販の鉛筆に取り付けることができるセンサー付きアタッチメント。スマホアプリと連動することによって、子どもの日々の努力を「見える化」し、学習への意欲をより高めるために開発された製品です。2019年の発売以来、累計出荷台数はすでに3万台を突破。小学校低学年~中学年が主な対象となっており、「書く⇔褒める」の好循環を回すことで子どもの「やる気」を育むサービスとして評価されています。また、親子間のコミュニケーションを促進し、家庭学習の習慣づくりをサポートします。
本製品を用いた今回の実証実験では、「机に向かう習慣づくり」と「家庭学習に取り組む親子関係の土台づくり」の2点に着目し、具体的な家庭学習の支援のあり方を探るとのこと。また、学校と家庭との新しい関係づくりにおいても検証します。
<実証実験概要>
■実験期間:2023年5月1日(月)~2023年10月31日(火)
※2024年3月31日まで延長の可能性あり
■実験対象者:岐阜市立岐阜小学校 新1年生39名、新2年生47名
■実験内容:担任教師から合意を得た家庭に「しゅくだいやる気ペン」が提供され、児童の日々の家庭学習に「しゅくだいやる気ペン」を使用する。定期的に、アンケートやデータ集計を用いて家庭学習の意欲の変化、習慣化を分析する。
実証実験の舞台となる、岐阜市立岐阜小学校について
岐阜市立岐阜小学校では、2019年より就任した藤田校長のもと、一律の宿題を課すことをやめ、家庭学習の手引きを配布した上で、家庭での学習が定着するよう取り組んできたとのこと。今回の実証実験は、家庭学習が習慣化しづらい低学年を対象に、家庭学習に関する取り組みの内容を向上させることを目的として行われるそう。
藤田校長は、「机に向かう意欲化と習慣化、親子間のコミュニケーションが期待できるIoT文具の活用に、大きな可能性を感じる」と話し、やる気ペンを活用した家庭学習の習慣化を期待しています。
数か月間にわたって各家庭での実証実験が行われた後、検証結果が報告されるそうで、本実験の結果がこれからの家庭学習のあり方を示してくれるかもしれません。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000631.000048998.html
(文・Yuka Sada)