今回、同社はその取り組みの一環として、「CO2を食べる自販機」を活用した実証実験を、2023年6月より開始することを発表しました。
実証実験は関東・関西エリアを中心に実施。CO2濃度が高いとされる屋内や屋外など、さまざまな場所に自販機約30台が設置される予定です。
搭載した特殊材が大気中のCO2のみを吸収
「CO2を食べる自販機」は、大気を吸い込んで、商品の温度を調整する通常の自販機とは異なり、搭載した特殊材が大気中のCO2のみを吸収。大気中のCO2を吸収する木と、同じような役割を果たします。
1台当たりのCO2年間吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%になることが見込まれているとのこと。これは、スギ(林齢56-60年)約20本分の年間吸収量に相当するそうです。
吸収したCO2は、さまざまな工業原料として活用
「CO2を食べる自販機」から吸収したCO2は、取り組みに賛同する自治体や企業と共創する形で、さまざまな工業原料として活用することが計画されています。
吸収材を肥料に配合し、土壌に散布することでCO2の土壌貯留を図るほか、コンクリートの原料に配合し、CO2の固定化や海中での藻場造成などに活用することで、ブルーカーボン(※)生態系の再生を試みるとのこと。
※「海洋生態系に蓄積される炭素」のことで、そうした作用を有する生態系を指す用語。
カーボンニュートラルを実現する自販機の展開へ
アサヒ飲料は2024年から「CO2を食べる自販機」を本格的に展開する予定です。同時に、CO2吸収能力の高い素材の開発を進め、CO2排出量と吸収量が同等となる、カーボンニュートラルを実現する自販機の展開を目指すとのこと。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000625.000039153.html
(文・S.Inosita)