その充電にかかる時間を短縮するワイヤレス給電システムを、米国の半導体製造企業「フリースケール・セミコンダクタ」が開発し、このほど発表した。従来の3倍の速さで充電できるというもので、早ければ来年半ばにも一般消費者がその恩恵を受けられるようになりそうだ。
◼Qi準拠15ワット出力を実現
フリースケールの発表によると、非接触型充電規格Qiを活用した機器の出力は5ワットが一般的であるのに対し、新しく開発した給電システムは15ワット。つまり3倍の速さで端末を充電でき、充電にかかる時間を短縮する。
例えば、4000ミリアンペアのタブレットをフル充電するのに、通常のUSBケーブルでの充電だと8時間かかるところを、フリースケールの新技術では数時間で完了できるとのこと。
◼来年半ばにも採用端末が登場?
この技術の核となるのが、新たに開発した受信・送信チップ。主要な業界標準に対応しているので、多くのメーカーが採用しやすいものとなっているそう。
気になるのは、いつからこの技術が実用化されるのかという点だが、2015年早々に端末メーカーに提供され、早ければ来年半ばにもこのシステムを採用した端末が出てくる見込み。
バッテリーの容量・効率化とともに、充電にかかる時間はユーザーが端末を使用する上で最も気にする点の一つだろう。今後はこうした“急速充電タイプ”が標準になるのかもしれない。
フリースケール・セミコンダクタ