ストックホルムのタクシー会社が提供するヒートマップ
旅行計画を立てるときなどは特に、他の人がどうしているのか、どこへ出かけているのか、ユーザーの口コミが気になるだろう。スウェーデンのタクシー会社Taxi Stockholmでは、ストックホルム市内のタクシーの行き先を反映したヒートマップ「Taxi Trails」をローンチした。都市を訪れた旅行者たちにとって、現地の人たちの動向を知り、街のホットスポットを訪れるきっかけとなる。
このプラットフォームでは同社が保有する全タクシー車両のGPSデータを追跡し、年間800万件に及ぶ走行データを基盤にしている。タクシーを利用する人は、現地の人から旅行者までさまざま。
走行データをリアルタイムに累積していき、彼らが足を運ぶホットスポットデータを提示する。マップ上に示されるカラーは無色、白色、黄色、オレンジ色となっており、走行先数が多いエリアはだんだんと色が濃くなる。にぎわっている目的地が一目で見て取れるようになっているのだ。
カテゴリ別に表示切替が可能 穴場スポットが見つかるかも
マップ表示は、カテゴリ別の表示切替ができるようになっていて、昨年または先月、日中または夜間、平日または週末、といったカテゴリで区分けできる。面白いのが“posh”“ hip”の切り替え。ストックホルムの高級住宅地エリアOstermalmから乗り込んだ客は“posh”、港や娯楽施設などが集まるエリアSodermalmからの客は“hip”としてデータ集積される。ちょっとリッチな旅を考えている旅行者なら“posh”のデータが、ストックホルムの今の流行りを追いかけたいなら“hip”が、参考になるかもしれない。
ユーザーにとっては、ストックホルム市内の生のデータから、ガイドブックには載っていないような、新しいスポットを発見する楽しみがある。スポットの目星が付いたなら、Google Street Viewで付近の映像をチェックしてみてもよいだろう。
タクシー会社が利用者の統計という自社データを活用して、新しい切り口で、潜在的顧客のタクシー利用を促そうというユニークな試みである。
Taxi Trails