このほど資金調達サイトIndiegogoに登場した「Peek Retina」は、そした“医療難民”の眼の診断に使うためのもの。スマートフォンにアダプターを取り付ければ眼底写真が撮影できるというもので、撮影データを医師にメールなどで送って診断を仰ぐことができる。
◼ポータブルで誰でも操作
眼底検査の機器といえば、設置型の大きなものを思い浮かべるが、Peek Retinaは驚くほどコンパクト。スマホのカメラ部分に円形の検眼鏡をつけて患者の目を普通に撮影するだけなので、医師でなくても操作できる。
なので、地方を巡回するヘルスケアワーカーが端末にこのアダプターをつけて撮影することで、早期の病気発見につなげられる。
◼早期診断・治療に一役
開発したのは、イギリスを拠点に活動している医師やエンジニア、ソフトウェアデベロッパーらのチーム。眼科医が開発に携わっているだけにその性能はお墨付きで、白内障や緑内障も診断できる。
すでに、ケニアでこのPeek Retinaを試験運用し、ヘルスケアワーカーが1週間に1000人もの眼底写真を撮影した。そして、深刻な病気を発見し、治療につながったケースも少なくなかったという。
同チームによると、世界には盲目の人が約3900万人いるが、その8割は視力喪失を防げたはずなのだという。そうした実態をなんとかしたいという思いからPeek Retinaは生まれた。
同チームは現在Indiegogoで資金を募集している。このポータブル検眼鏡を実用化し、広く役立ててもらうのが狙いだ。60ポンド以上出資したヨーロッパ居住者にのみこのPeek Retinaを発送するとしている。
資金調達サイトで展開されるプロジェクトは消費者が普段の生活で使う商品やサービスが主流で、このPeek Retinaの場合、寄付的要素が強い。
失明の危機から1人でも多く救おうとするこのプロジェクトに貢献したいという気持ちがある人は、サイトをのぞいてみてほしい。
Peek Retina/Indiegogo