VRというと、見た目がごつくて、しかも重たい専用のヘッドセットを頭に装着しなければならないようなイメージがあるかもしれないが、「Pinc」はとても簡単に持ち歩ける。なんといってもこれは、普段はiPhone 6のケースとして使えるのだ。
一見すると単なるスマホケースだが、中にはスリムで装着も簡単なヘッドセットが収納されていて、必要なときに取り出して使える。ケース自体は、もちろんスマートフォンを衝撃から守る機能も保有している。
ユーザーはヘッドセットをメガネのようにして頭に着け、専用のデジタルリングを指にはめる。すると、スマートフォンのスクリーン画面が、ヘッドセット越しに目の前に現れる。
前側に搭載されているカメラが、VRのデジタルスクリーン画面に沿って反応するユーザーの手の動きをキャッチ。このデジタルリングは、さまざまなタッチスクリーンのジェスチャーを識別し、空間内の操作をおこなえるようにするためのものだ。例えば、画面内を右にスクロールするだとか、アイコンを指定してクリックするといったコマンドを実行できる。
開発チームでは、VRの画面レイアウトのパターンを何種類かすでに開発している。現実世界のデスクトップの画面、アイコン表示のような構成の“Hover”、画像などが横並びに一面に並ぶ“Tile”、縦並びのコラムや画像が、回転木馬のようにスクロールする“Carousel”、
水面に浮かぶように、水平上にコンテンツが並ぶ“Horizon”、マルチアングル対応の“Spider”などのレイアウトパターンである。
この「Pinc」のVRインターフェースがあれば、これまでのECサイトでの購買体験以上に、ユーザーに買い物体験をよりリアルに、楽しんでもらえることだろう。企業や小売の商品やサービスのPRや販売の形態に、新風を吹き込んでくれそうだ。現在、資金調達プラットフォームIndiegogoでキャンペーンを開催中。
Pinc