ニューヨーク市がこのほど明らかにしたプロジェクト「LinkNYC」によると、マンハッタンを含む市内5地区で、公衆電話を無料Wi-Fi提供キヨスクに変えていく。キヨスク設置は計1万カ所に上る見込みで、2015年にも設置に着手する。
・通信速度はギガビット
携帯端末の普及で利用者が激減した従来の公衆電話を最先端のスポットに置き換える。これだけでもなかなか斬新なアイデアだが、売りはWi-Fiスピードがギガビットの速さということ。
具体的には明らかにしていないが、「家庭の平均的なWi-Fiスピードの20倍以上」としている。なんでも、2時間のHDビデオを30秒でダウンロードできるのだという。
・無料充電・国内通話も
さらに、このキオスク、無料充電ステーションとしての機能も備える。加えて、設置されたタブレット端末を操作してニューヨーク市に関する情報を収集したり、緊急電話や米国内への通話が無料でかけられたりするようになる。
こうした先進的な取り組みはさぞ経費がかかるだろうと思いきや、税金は投入せずキオスクに設置する広告の収入で全て賄う構想だ。向こう12年で少なくとも5億ドルの広告収入を見込む。
ちなみに、このプロジェクトは半導体大手クアルコムや送信機開発・製造メーカーのコマークが参加するコンソーシアム「CityBridge」が手掛ける。
IT先進国を標ぼうし、そして観光立国を目指す日本でもこうした取り組みが出てきてもよさそうだ。
LinkNYC