BEAMSやLOWRYS FARMなど国内外あわせて1,600以上の人気ブランドと提携しており、いつものお気に入りブランドのコレクションの中から、人工知能テクノロジーで分析された、自分のセンスに合ったアイテムを購入できる。
カラフル・ボードの渡辺 祐樹(わたなべ ゆうき)代表取締役CEOに話を聞いた。
■あなたのファッションセンスを人工知能が学習
Q、ずばり、人工知能ファッションアプリ『SENSY』とはどのようなサービスですか?
「ファッションスタイリストアプリです。ファッションセンスという形のないものを人工知能がダイレクトに学習する技術を大学と共同で開発しました。
『SENSY』は、この技術を用いてユーザーの好みを理解し、世界中からファッションアイテムを探してくる、まるで専属スタイリストロボットのようなアプリです。」
Q、そもそも、どのような経緯でこのサービスを始める事になったのでしょうか?御社の設立のきっかけと、このサービスに発展した経歴と共に教えてください。
「アパレル業界の抱える課題を解決したいという想いから、2011年に会社設立しました。
「私がコンサルティングファームに勤務している際に、アパレル業界は、ものづくりとマーケティングに非効率な点が多く、テクノロジーの力でイノベーションを起こせる可能性が大きいと感じていました。
特に、いまインターネット上には無数のファッションアイテムが溢れかえってきており、新しいマーケティングのあり方が求められています。
そこで、私自信も大学で研究していた人工知能技術を用いて、ヒトとモノ(ファッション)の新しい出会い方を提案できるのではと思い、『SENSY』を考えました。」
Q、洋服の買い物にも、人工知能テクノロジーを駆使する時代になったのですね!センスを学習する最新の機能について、詳しく教えてください。
「人工知能が、ユーザーのファッションセンスを様々な切り口で分析しています。
例えば、アイテムの色味や柄、ブランドなど、商品の属性として50個以上の変数の掛けあわせで、その人のファッションセンスを捉えています。」
■人工知能アルゴリズム 1年以上の研究期間
Q、このサービスを開発中、苦労した点はありますか?
「人工知能アルゴリズムの開発には1年以上の研究期間を要しました。
近年人工知能テクノロジーが着目されていますが、それがどのように応用できるかは、まだまだ未知の世界です。
『ファッションセンスを学ばせる』というユニークな取組みにあたり、『センス』とは本質的にどういう意味を持つのか、それを人工知能はどのように学習できるのか、など多くの議論と実験、検証を繰り返して、今年の9月にようやく特許出願するまでに至りました。
とはいえ、我々のアルゴリズムはまだ開発途上であり、ユーザーのフィードバックを元に今後も改良を重ねて行きます。試してみたいアルゴリズムのアイデアは山ほどあるので、どんどんチャレンジしていきたいです。」
Q、このサービスを利用されたユーザーの反応はいかがでしたか?
「幸いにも、リリースと同時に多くの方々に使って頂き、賛否両論、いろいろなフィードバックを頂いております。
コンセプトやデザイン、テクノロジーに対して良い評価を頂いている反面、まだ使い方が分かりにくかったり、不具合もありますので、随時改善を繰り返して行きたいと考えています。
頂いたフィードバックを元に、すでにバージョン1.0.1の申請を出していますので、11月下旬には新バージョンをお披露目できるかと思います。」
■今後は英語対応も実装
Q、すでに、BEAMSやLOWRYS FARMなど、たくさんの人気ブランドと提携されていますが、今後の予定や企画を教えてください。
「現在、国内で主要なブランド・ショップ様とはほぼ提携ができています。今後は、まずプロダクトをきちんと作りこむことと、日本ではまだ知られていない海外ブランドとの提携を積極的に進めて行きたいと考えています。
また逆に、海外のユーザーにも広く使って頂き、日本のブランドを知ってもらうため、次期バージョンではアプリの英語対応を実装しております。」
自分のスマホから、最先端のアルゴリズムや人工知能テクノロジーを使ってお買い物。自分の好きなものを探す手間が省けそうだし、今後の機能アップデートにも期待したい。
ファッションスタイリストアプリ「SENSY」(センシー)
(Writer: Saera Jin)