これまで主流であったInstagram・Twitter・YouTubeだけでなく、TikTokやLemon8などさまざまなプラットフォームで著名なインフルエンサーが出現。
企業は自社の商品やサービスと親和性のあるインフルエンサーはどのような人なのか、またどのようなユーザーが自社の商品やサービスを求めているのか把握することは困難でしょう。
そんな中、豊富な実績をもつAnyMind Group インフルエンサーマーケティング事業部 部長の藤田翔大氏にインフルエンサーマーケティングの最新の業界事情についてご寄稿いただきました。
インフルエンサーマーケティング市場が加速 3つ大きな変化
インフルエンサーマーケティングとは
SNSで大きな影響力をもつ「インフルエンサー」に、商品やサービスを紹介してもらい、消費者の態度変容や行動変容を促すコミュニケーション型マーケティング手法です。近年SNSは、滞在時間が年々増加しているだけではなく、情報を探す時の「検索エンジン」としても使用されています。Instagramが公式に発表するデータによれば、日本のユーザーは「ハッシュタグ検索」を世界平均の3倍使うとされています。
①KPIの変遷 認知拡大から購買へ
これまで認知拡大を主なKPIとしてきたインフルエンサーマーケティングですが、昨今においては購買など含めたアクションをKPIとするケースが増加しています。現在、インフルエンサーを活用したアフィリエイト施策や、Instagram、TikTokなどのLIVE配信時に限定クーポンを発行するなど、オンライン上でのユーザーアクションを計測できる仕組みや施策の効果を可視化することができるようになってきています。
また、それに対応するかたちで、SNS上でのユーザーの反応を計測できる仕組みや施策の効果を可視化することができるようになってきています。
当社においてもインフルエンサーの投稿を活用したアフィリエイト施策により、PR投稿から直接遷移して生まれた売上をKPIにする施策が増えています。
また、Instagram、TikTokなどのLIVE配信時に限定クーポンを発行し、そのクーポンコードを利用した購買数をKPIにするような施策も増えてきています。
②プラットフォーム、フォーマットの変遷
以前は静止画や長尺動画が主流でしたが、現在はTikTokやYouTubeのような60秒以下の短尺動画が主流となっています。そのため、新しいトレンドを取り入れながら、いかにコンテンツを作成できるかが鍵となっています。③コンテンツ使用方法の多角化
インフルエンサーが制作・投稿したコンテンツを、企業による公式SNS広告のコンテンツとして配信するケースが増加しています。実際にAnyMindで行ったインフルエンサーマーケティング施策では、インフルエンサーやクリエイターが制作したコンテンツを広告として活用。その結果、従来の広告よりクリック率やコンバージョン率が高い結果が出ることも多くなっています。
フォロワーが多いだけではダメ!インフルエンサーを選ぶ時の注意点
メディアリテラシーが高まっている現代において、マーケティング担当者はインフルエンサーをアサインする際に、ブランドとインフルエンサーの親和性や中長期の取り組みが求められています。数ではなく、フォロワーの属性を解析することから効率的な施策を行うことが最適です。しかし企業の抱える課題として、よく耳にする点としては、「インフルエンサーマーケティングを実施しているが、結局のところ効果測定が正確にできておらず、良いマーケティング成果が出ているのか把握ができていない」といった声があります。
当社の独自調査によると実施結果が把握できない背景は、以下の3つの課題が浮かびあがってきました。
施策実施前の課題では、KPI設定の目的が、メンバーで共通理解できていないという実情がありました。その結果、キャスティング担当者が目的に合ったインフルエンサーを起用できていないという事案が起きています。
また、施策実施中の課題では、企業が商品訴求をしたい思いが強いことから、インフルエンサーの投稿内容の広告色が強くなりすぎてしまうケースが多いようです。
さらに、企業の担当者は、インフルエンサーの投稿内容を調整するためのやり取りに時間がかかってしまい、なかなか施策をスタートすることができないというケースもあります。
その結果、企業としても、訴求ポイントを全面的に押し出すことができず、インフルエンサーも自分の良さを発揮することができなくなり、最悪の場合、双方折り合いがつかず、施策そのものがなくなるケースもありました。
最後に、施策実施後での課題は、1回の施策で終了してしまうという点です。1度のみの施策では、正確な効果を把握することができないといった声もありました。結果として、次の施策につなげることができないため、一過性の施策として終了してしまうケースがありました。
3つの課題を解決する具体的な提案
POINT1:KPIを明確にすること
POINT1の施策実施前の課題に対しての解決策は、KPIを明確にすることです。KPIの設定では、大きく2つの目的があります。1つ目は「認知拡大を目的としたKPI設定」です。一例として、リーチ数をKPIに置いた場合、どれだけのユーザーがSNSで反応したかを推測します。
2つ目は「購買促進を目的としたKPI設定」です。コンバージョン率をKPIに置いた場合、URLクリック数や自社サイトへの流入数をKPIとして明確に設定することにより、どのような特徴をもったインフルエンサーをアサインするべきか、明確になります。
POINT2:必要以上にインフルエンサーの投稿内容へ干渉しないこと
POINT2の施策実施中の課題に対しての解決策としては、必要以上にインフルエンサーの投稿内容へ干渉しないということです。投稿内容に企業が届けたいメッセージだけを詰め込んでしまうと、広告色を嫌う傾向にある一般消費者に避けられてしまいます。
また、インフルエンサーにとっても、自分のフォロワーに有益でない情報を発信することになってしまうため、双方にとってデメリットになってしまう可能性があります。
そのため、第三者的な立場で消費者の目線に近い観点で「刺さるコンテンツ」を制作することができるインフルエンサーに、可能な限り訴求方法をまかせる方が良いと考えられます。
また、そこで生まれたインフルエンサー発のコンテンツを広告クリエイティブとして編集し、二次利用します。投稿への閲覧数や消費者のリアクションなどを確認しながら、効果的なクリエイティブへと修正していくことで、単なるPR投稿施策にとどまらない効果的なマーケティング展開が可能になります。
また、企業はリアルタイムで投稿への閲覧数やリアクションなどといった消費者行動を確認しながら、より効果のあるクリエイティブに変更することによって、コンバージョン率の高い施策を実施できます。
POINT3:施策を継続すること
最後に、POINT3の施策実施後の課題に対しての解決策は、施策を継続することです。インフルエンサーマーケティングは、中長期的な施策から短期的な施策を設計することが重要です。企業は、最終的にどんな商品になっていたいか、ゴールから逆算して、中長期的な施策を構築することで、商品自体の成長にもつながります。その結果、正確な施策効果を把握できます。施策結果の振り返りを新たな施策に活かしていくことで、正しいPDCAを回すことが可能になります。
今後、企業はフォロワー数を軸に、インフルエンサーを起用するのではなく、商品と親和性のあるインフルエンサーを起用することで、より効果的な認知拡大から販売促進ができるのではないでしょうか。また、KPIを見直し、PDCAサイクルを回すことで目的にあった結果を出すことができると考えます。
AnyMind Groupでは、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」を活用した戦略の立案から実施・効果測定に至るまで、マーケティング活動を一貫支援しています。SNSやインフルエンサーを活用したPR戦略や施策について、疑問点や悩みがございましたら、いつでもご相談ください。
インフルエンサーマーケティング事業部について
Influencer Marketing事業部とは
企業や広告代理店・自治体に対し、SNS・インフルエンサーを活用したマーケティング支援をしています。世界40万人以上のインフルエンサーネットワークをもつプラットフォーム「AnyTag」を活用し、戦略立案から提案、キャスティング、施策実施から効果測定までを包括的に行います。インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」
AnyTagはインサイト分析を元にしたインフルエンサー選定・キャスティング、キャンペーン実施時のインサイト分析・投稿のリアルタイムレポートなどのサービスを提供しています。また、クライアントのSNSアカウントと連携することで、企業向けSNS運用管理ツールとしてもご利用いただけるインフルエンサーマーケティングプラットフォームです。また、これらの機能が1つのプラットフォーム上で管理できるため、蓄積したデータをシームレスに活用していくことが可能です。AnyTagは2022年6月末時点で世界45以上の国・市場から45万人以上のインフルエンサーへのアクセスが可能となっています。
URL:https://anytag.jp/ja/
<著者プロフィール>
吉安伸悟
AnyMind Group株式会社
広報・PR
1994年生まれ。新卒でアスリートのマネージャーを行う。2017年にPR会社サニーサイドアップへ入社。その後ブランディング企業を経て、2022年6月よりAnyMind Groupに入社。これまでのPRノウハウやPM経験を活かして広報・PRを担当。