しかし、従来の取り組みでは、多数のセンサーを街中に設置してデータを収集、さらにそれを分析・活用しなければならないため莫大なコストや時間がかかるといいます。
それに加えて、市民参加も十分なレベルに達していないといった課題もありました。
そんな中、こうした課題の解決へ向けてNTT西日本、京阪HD、NTT、NTTデータは「AIを活用したまちづくり」の実証実験を開始しました。
「みんなのまちAI」で街を分析
京橋エリアの主な商店会団体である京橋地区商店街連絡協議会(10団体)およびIntelligence Design株式会社(以下Intelligence Design)らの協力により実現した「AIを活用したまちづくり」。
本プロジェクトでは主に2つの実証実験が行われる予定で、1つ目が、「まちのデジタル化コストの削減を目的としたセンサーレスでのまちの可視化・分析」です。
この実証実験で利用されるのがNTT西日本が独自に開発したまちの分析・可視化・未来予測プラットフォーム「みんなのまちAI」です。
「みんなのまちAI」では、人流や建物のデータやその他のオープンデータを蓄積し、まちの詳細な情報を分析・予測し、デジタル上に再現します。
さらに本プラットフォームでは今までわからなかった細かい粒度(メッシュ)での人の行動目的や行動予測が可視化され、より精緻な売上予測や混雑予測、交通シミュレーションなどが可能となります。
「みんスマ」による楽しい市民参加
2つ目の実証実験が「市民がまちづくりに参加しやすくなるための仕組みづくり」です。
この実証実験で利用されるのが、NTTとNTTデータが開発中のまちと人との接点となるまちづくりアプリ「みんスマ」です。
みんスマには主に①地域クエスト機能、②すれ違い通信機能、③クーポン配布といった機能があり、本実証で使用されるのが①地域クエスト機能です。
地域クエスト機能は、まちの市民・法人双方に関わる「まちの活性化」や「まちの課題解決」を、アプリを通じて誰もがプレイできるアプリ内イベント「クエスト」としてユーザーに提供する機能です。
本取り組みでは、この2つの実証実験を組み合わせて、スマートシティの実現に必要なデータを、まちのセンサーではなく人のリアルデータから取得します。
「みんなのまちAI」に「みんスマ」で取得したまちの詳細なリアルタイム情報やカメラ画像のAI解析にて得た情報を取り込み、より精度の高い予測を行うという仕組みです。
さらにその結果を次の「クエスト」などに反映し、滞留人口の増加に寄与するとのこと。
実証実験の開催期間は 2023年1月23日(月)から2023年3月20日(月)で、「みんスマ」アプリをダウンロードすることにより参加できます。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000339.000032702.html
(文・大谷尊迪)