しかし、いざ自分の生活圏の大気の状態を知ろうと思ったとき、どうすればいいのか。平均的な都市では、20~25の大気観測地点があるといわれるが、気象庁や市町村などが公表しているデータは、あるエリア内に設置された観測所の計測をもとにしているものの、その中のどれが実際に自分のエリア付近の情報に該当しているのか、見極めるのは難しい。私たちが知りたいのは、今自分がいるここの、大気の状態である。
世界各地の大気の質をクラウドマップに表示
世界的な展開をしているバイオテックの会社PerkinElmerでは、ある特定の地域のより正確な大気の情報を提供しようと、パブリックでグローバルな大気の品質マップシステム「Elm」を作成した。
PerkinElmerが大気計測用に開発したデバイスにはセンサーが搭載され、大気の汚染、湿度、微粒子、有機化合物、一酸化二窒素、騒音などの状態を計測する。このデバイスは世界各地の都市に設置されていて、防水加工が施された丈夫なつくりになっており、エネルギーの消費も少ない設計になっている。
センサーの測定情報は20秒ごとにアップデート
センサーが計測したデータは20秒ごとにアップデートされ、検出された物質が一目でわかるように、それぞれ色付けされてマップ上に表示される。また、あらかじめ登録しておけば、emailでアラートを送信してくれるという。
まさに自分の家があるピンポイントの場所の大気状態が知りたいなど、フレキシブルなニーズに対応できる「Elm」。空気の状態はなかなか人間の目で判断しにくい。もしあなたが幹線道路や工場エリアの付近に住んでいるとか、あるいは心肺機能があまり強くないといったような問題を抱えているなら、自身の健康を直撃する大気の状態には、常に注意を払っておきたいものだ。
Elm