厚生労働省によると、65歳以上の高齢者約3,200万人のうち、認知症患者数は約462万人に達するとされ、予備軍も含めると、その数は延べ862万人に及ぶと言われている。
認知症を完全に治す方法は、今のところないが、医学の発達によって、完治できないまでも進行の度合いを大幅に遅らせることは、できるようになってきている。しかも、発見が早ければ早いほど、症状の進行を遅らせる可能性は高くなるという。
そこで注目されるのは、やはり予防。大切なのは、4つの要素に気を配ること。食事、運動、生活習慣、そして、脳の活性化である。
特徴は高齢者に優しいユーザーインタフェース
この度リリースされた「ストップ認知症ゲーム」も、予防対策の一つである「脳の活性化」に着目して製作したもの。
認知症のリスクを減らすにはボードゲームが効果的だ、という研究結果を受け、そのボードゲームをiPadアプリとして開発。高齢者が戸惑わない簡潔なユーザーインタフェースを用い、脳のトレーニングに最適なゲームアプリを作り上げた。
今回提供されたゲームは4点。問題数31点、100通りの正解を持つ「タングラム」、対戦可能な「四目並べ」、玉を上下左右に転がしてゴールまで進むクラシックな「迷路マニア」、200年以上前から親しまれてきた伝統的な一人遊び「ペグソリティア」。
どれも微妙な手の動きと、かなりの集中力を要する、ボードゲームの決定版である。
ベーシックな無料版、レベルアップが望める有料版を同時リリース
開発にあたったのは、ゲームインデックス・ドット・ネット代表の桑原明氏。御年70歳。
正にターゲット年齢である彼は、かつて広告代理店のアートディレクターとして活躍しており、高齢者向けのユーザーインタフェースにも造詣が深い。本アプリにも、その経験があますことなく生かされている。
アプリは無料版と有料版があり、有料版ではさらに難易度の高いゲームを楽しめるという。シニア世代でなくとも試したい、脳トレアプリの誕生だ。
ストップ認知症ゲーム