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Marketing 「視聴者のウェビナー疲れ」に悩むマーケ・営業担当者が見直すべき3つのポイント

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「視聴者のウェビナー疲れ」に悩むマーケ・営業担当者が見直すべき3つのポイント

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コロナ禍以降のオンライン集客施策に欠かせないウェビナーからのリード獲得。ところが、長引くコロナ禍でビジネスパーソンの7割がウェビナー疲れを引き起こしています(ファストマーケティング調査)。

情報過多の今、「視聴者が見たいと思えるコンテンツ」を設計し、リード獲得に繋げるために、マーケティング部門とインサイドセールス部門の連携を強化するにはどうすれば良いのでしょうか。

2020年に開始して以来、参加者満足度90%以上を維持し合計視聴者30,000人に迫るウェビナー「ソノプロ」を運営する株式会社サーキュレーションのマーケティング部長、赤羽宏之氏にご寄稿いただきました。

ウェビナー疲れの原因と対策

コロナ禍以降、多くの企業がマーケティング施策で取り組むようになったのが、オンライン上で実施するセミナー「ウェビナー」です。ウェビナーは自宅で気軽に視聴することができるため、在宅勤務が増加してからというもの、リード獲得施策として注目されています。

その一方で、視聴者がウェビナーに「疲れている」という調査があります。リードへのコンバージョン率が低迷したり、そもそも集客がうまくいかなかったりという課題を抱える企業が増え始めているのではないでしょうか。

そんな中、当社は2020年7月から「ソノプロ」というウェビナーブランドを運営。毎回200名前後の応募があり、満足度は90%以上を維持し続けています。

今回は、内容や企画、配信機材、集客後の対応などの試行錯誤を繰り返して得られた「ウェビナー疲れに対する考察と改善方法」についてご紹介します。

①視聴前にターゲットに魅力が伝わっていない

ウェビナー疲れの原因は、視聴前・視聴中・視聴後の3つのタイミングで発生します。

まず視聴前の原因としては「そもそも参加したいと思えるウェビナーになっていないこと」が挙げられます。耳の痛い話かもしれませんが、この課題は運営がウェビナー内容を作り込めていないことが大きく関係しています。

1社だけでウェビナーを実施すると、コンテンツ設計の工数や集客力には限界があります。その結果として、どの企業も登壇ゲストを他社から呼ぶといった共催ウェビナーが多くなってしまうのです。

確かに他社からゲストを呼ぶとコンテンツとしては盛り上がるかもしれません。ただ、たくさんの企業のウェビナーに登壇しているゲストが登壇し続けると、どうしても視聴者からは「同じような人が同じような内容で登壇し続けている」ように見えてしまいます。

同じ人が登壇していても、内容設計や見せ方によっては新しい内容に感じさせることは可能です。例えば、対談形式でウェビナーを進めて「その会話からしか生まれない独自の話が聞けそうだ」という印象を参加者に与えるなど、運営側の工夫の余地は十分にあります。

②内容が自社の押し売りになっている

視聴中の原因としては「ウェビナーの内容が自社の押し売りになっていること」が挙げられます。

視聴者が期待して参加したウェビナーで「求めていた情報が得られなかった」「結局営業やポジショントークだった」と感じてしまうと、リードに繋がらないだけでなく、視聴者が次回からウェビナーに参加しなくなってしまい、結果的にウェビナー開催側の企業が中長期で行いたいナーチャリングが遠のいてしまいます。

視聴中の離脱の原因は、シンプルに言えば「内容自体がユーザーのためになっていないこと」です。自社のウェビナーが商材の押し売りになっていたり、商品やサービスの背景の解説が薄くなっていたりすると、しっかり作り込んでいる内容でも視聴者から「ここから先は聞かなくても良いだろう」と判断されてしまうことに繋がりやすくなります。

対策としておすすめしたいのは、リスキリングになるようなコンテンツを提供することです。

・視聴者が求めるような知識をアップデートできる内容
・ウェビナーのノウハウを実践することでコミュニケーションの質が変わるような内容
・洗練されたツールの提供ができるような内容

上記を考え抜くことで、視聴者の満足度は向上しやすくなるでしょう。

③視聴後のインサイドセールスからのアプローチが面倒

視聴後にありがちなウェビナー疲れの原因は「インサイドセールスからのアプローチが面倒であること」です。

ウェビナーをマーケティング施策として位置付けている企業なら、視聴者に向けてウェビナー終了後に何らかのアクションを取ることが必要です。メルマガや、インサイドセールスといった営業部隊からのアプローチを行うなど、各社さまざまな後追い施策を講じられていると思います。

ところが、この連携がうまくいっていないと、視聴者にとってより不快なアプローチとなってしまい、視聴者が「この企業のウェビナーには参加しないでおこう」と感じてしまう原因になることがあります。

例えば、課題が顕在化していない段階でキーマン以外にアプローチしてしまったり、アプローチする営業部隊が顧客理解を深めず「とりあえずリードが回ってきたからアプローチする」状態であったりすると、視聴者は「営業のためのウェビナーだ」という印象を抱いてしまいます。

せっかく作り込んだウェビナーで獲得した潜在顧客を無駄にしないためには、マーケティング部門が中心となって自社の営業部門を巻き込むことが不可欠です。

サーキュレーション社におけるウェビナー疲れ対策の取り組み

最後に、サーキュレーションが2019年から3年以上かけて取り組んできた分業型営業組織におけるウェビナーの位置付けと活用方法についてご紹介します。

①商材を押し売りをしない

サーキュレーションではウェビナー「ソノプロ」を、視聴者が求める「経験・知見が豊富なプロ人材が、最新の事例を生の言葉で語る」リスキリングコンテンツとして位置付けています。

YouTubeでのアーカイブ配信も行っており、より多くの視聴者に届けられるような設計です。

ご視聴いただければ分かると思うのですが、その中で当社の商材であるプロシェアリングについては冒頭数分以外はほとんど改まった紹介をしていません(アーカイブからも一切省いています)。

そのため、視聴者にとっては押し売りに感じることがなく、結果として同じ視聴者から何度も別のテーマに応募いただけることも多くなっています。

②自社ウェビナーをインサイドセールスの育成に活かす

視聴者にとって有益であるということは、社内のメンバーにとっても勉強になるはずです。

サーキュレーションのインサイドセールス組織では、ウェビナー後のアプローチ前には全員が一緒にウェビナーのアーカイブを視聴した上で、顧客のための情報提供のあり方についてディスカッションをしています。

この議論を行うことで、顧客にとってより有益な情報提供(アプローチ)を模索し、改善するサイクルが回っているのです。

視聴者目線で設計された自社ウェビナーを視聴して議論することは、インサイドセールス組織の若手にとっては顧客志向の提案のトレーニングにも、今後のキャリアに活かせる学びの機会にもなります。

顧客のためになる自社ウェビナーは巡り巡って社内メンバーの育成手段の1つとしても活用できるため、ぜひウェビナー企画にはこだわり抜くことをおすすめします。

ウェビナーコンテンツは視聴者ファーストを徹底しよう

企画内容をリッチにするためには、視聴者にとって参考になる事例を細かくコンテンツ化するのがおすすめです。

「◯◯というテーマで成果が出た!」という事例1つとっても、そこまでの経緯や成果が出た後の展開など、個人に紐付くストーリーは十人十色です。視聴者に最も刺さる事例とストーリーを語れそうなターゲットを探して、内容を作り込みましょう。

しかし、いきなりの依頼でそこまで話してくれる人がどれほどいるかは分かりません。登壇者に生々しい話を語ってもらえる関係性創りや、ウェビナーを通して実現したいビジョン創りから、ウェビナー企画は始まっているのです。

ここまで、視聴者がウェビナー疲れを起こす原因や当社の取り組み、さらに組織内連携についてご紹介しました。全体を通して言えることは、何を置いても視聴者のために考え抜くことが1番の本質的な解決策であるということです。

逆にそこまで考え抜くことでメリットがないのであれば、ウェビナー施策を続けること自体を問い直し、リソースを再配分するなどの検討を行っても良いと思います。

読者の皆様がより顧客のニーズを捉え、関係性を構築できるようなマーケティングを実行できることを願っています。
<著者プロフィール>

赤羽宏之
株式会社サーキュレーション
経営管理本部
企画・マーケティング・IT部 部長

東京大学文学部卒業後、WEB2.0などのCGM黎明期のWEB事業に魅力を感じ、モバイルファクトリーに入社。その後、Webマーケティング会社の取締役としてSEOサービスの開発・運用、ECサイトの立ち上げ・グロースなどに従事。外部人材の力を借りて過去に自らのWEB技術力を培った経験から事業の可能性を感じ、2017年にサーキュレーションに参画。全社のマーケティングを管掌。マーケティングとテクノロジーがオーバーラップする領域を得意とする。

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