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車内の覗き見を防止! スイッチ一つで遮光し、プライバシーを守る「黒色」液晶調光フィルム

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完全自動運転の実現に向けたEV(電気自動車)へのシフトに伴い、自動車の役割が「移動手段」から「過ごす場所」へと変わり、車両のうち大きな面積を占める「窓」には、プライバシーを守るための装備が求められるといいます。

凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)が提供している「LC MAGIC(エルシーマジック)」は、スイッチ一つで透明と不透明を瞬時に切り替えられる液晶調光フィルムです。

今回、同社はLC MAGICの新グレード「ノーマルブラック」を開発。2023年度末までに同製品の量産化技術を確立し、2024年度から量産と、自動車をはじめ航空機や鉄道などのモビリティ業界向けのサンプル出荷を開始する方針です。

開放感と遮光性を実現

LC MAGIC ノーマルブラックは、電源OFF時には95%の可視光線を遮蔽する「黒色」となり、電源ON時には43%の可視光線を通す半透明のライトグレー色となる、液晶調光フィルム。

本製品が組み込まれたガラスを自動車のサンルーフなどに搭載することで、可動式のシェードを使用することなく、電源ONの時には開放的な居住空間を、電源をOFF時には遮光性を備えたプライバシー空間を、瞬時に実現します。

モーターや可動部品を必要としないため、車体の軽量化と車内の居住性向上の両立が可能です。

長時間屋外で使用しても変色しない

LC MAGIC ノーマルブラックは、凸版印刷独自のUVカット機能を持つ層構造と材料選定により、長時間屋外で使用しても変色せず、電源OFF時の可視光線透過率に影響を与えません。

また「フィルム厚が約0.4ミリと薄く、ガラスへの後貼り施工が容易」「フィルム内で液晶が動かない構造のため、ハサミやカッターで自由な形状にカット可能」といったLC MAGIC独自の特長は保持したままです。

ノーマルブラック開発の背景

車メーカーが完全自動運転を搭載したEVの実用化を目指し始めている近年。完全自動運転が実現すると、車内は居住空間としての意味合いが強くなり、窓にはプライバシーを守るための装備が求められるようになるといいます。

しかし、装備をすべてシェードやカーテンなどの機械式にすると、広い面積を覆う可動部品を搭載することになり、車内の居住スペースを奪うだけでなく、車両重量が増加するとのこと。

重量の増加は、車内の消費電力増につながり、EVにとっての生命線ともいえる航続距離に影響を与えます。

こうした背景を踏まえ、凸版印刷はこれまでLC MAGICを提供してきましたが、高級な質感のデザインにマッチする「黒色」モデルは、技術的難易度の高さから製品化が困難でした。そんな中、今回同社が開発したのがLC MAGIC ノーマルブラックです。

PR TIMES

LC MAGIC

(文・Haruka Isobe)

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