リアル以外の新たな鑑賞のあり方が求められる中、2020年に開設されたのが「バーチャル東京国立博物館(以下、バーチャルトーハク)」です。来場者は、バーチャル空間で美術品や国宝などを鑑賞できます。
東京国立博物館の一部をVRで再現
東京国立博物館は、1872年(明治5年)に開館した伝統のある博物館です。日本と東洋の文化財の収集保管、展示公開、調査研究、普及などを目的として独立行政法人国立文化財機構が運営しています。そんな東京国立博物館の一部を、バーチャルSNS「cluster」の空間内にCGで再現したのが、バーチャルトーハクです。
実空間とは異なる、さまざまな文化財の鑑賞体験をより多くの人に伝える場として2020年に設立されました。
これまで実現できなかったキュレーションや展示演出、さらに国内外からの時空にとらわれることないアクセスを可能にし、新しいオンライン文化鑑賞体験を提供します。
バーチャルSNS「cluster」を活用
バーチャルトーハクで活用されているclusterは、スマートフォンやPC、VR機器などのさまざまなデバイスに対応しているメタバースプラットフォームです。ユーザーはバーチャル上で音楽ライブ、カンファレンスなどのイベントに参加したり、友達と常設ワールド(バーチャル空間)やゲームで遊んだりすることができます。
数万人が同時に接続でき、これにより大規模イベントの開催や人気IPコンテンツの常設化を可能にしているとのことです。
東京国立博物館創立150年記念バーチャル展示
バーチャルトーハクでは、定期的にイベントを開催しています。2023年1月17日(火)~2023年3月31日(金)には、東京国立博物館所蔵の国宝89件をバーチャル空間で紹介する、東京国立博物館創立150年記念バーチャル展示「エウレカトーハク!◉89」が開催。
本イベントでは、東京国立博物館を代表する国宝の一つである「松林図屛風」「八橋蒔絵螺鈿硯箱」などをテーマとした、没入感のあるバーチャル展示室を構築します。
来場者は、アバターとして作品に描かれた情景に入り込んだり、空間内に配置されたオブジェクトの一部を動かしたりすることで、作品の世界観を直感的に体験することが可能。
また、現代アーティストたちが新しい感覚で国宝を再解釈し、リスペクトアートという形で表現した作品をNFTとして購入できます。
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cluster
(文・Haruka Isobe)