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各社が出す「住みやすさのランキング」はなぜ結果がバラバラ? 実はこんなに違う調査方法

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コロナ禍におけるリモートワークの浸透により、必ずしも会社の近隣に住む必要性がなくなった人が増え、都心・近郊・準近郊・郊外と住む場所の選択肢も広がりました。

そんな環境の中で「もっと安い場所に」「もっと広い部屋に」など自身の希望に応じた住まいを探す人も増えてきたように思います。

そんなとき、参考にしたいのが例年各社の発表する「住まいのランキング」です。

今回は、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の住みたい街ランキングのプロジェクトリーダーを務める株式会社LIFULL「LIFULL HOME’S」事業本部の新田周平氏に、各社ランキングの特徴とランキングの見方についてご寄稿いただきました。

数ある「住まいのランキング」、どれが正しいのか?

LIFULL HOME’Sでは毎年2月頃に「住みたい街ランキング」を発表していますが、ちょっと調べただけでも以下のようなサイトが住まいに関するランキングを発表しています。

  • SUUMO「住みたい街ランキング」

  • 生活ガイド.com「全国住みたい街ランキング」

  • いい部屋ネット「街の住みここち&住みたい街ランキング」

  • ARUHI「本当に住みやすい街大賞」

  • 東洋経済オンライン「住みよさランキング」


各ランキングの2022年首都圏版の1位は、次の通りです。

  • LIFULL HOME’S:借りたい「本厚木」、買いたい「勝どき」

  • SUUMO:「横浜」

  • 生活ガイド.com:「横浜市」

  • いい部屋ネット:住みたい街(駅)「吉祥寺」、住みここち(駅)「みなとみらい」

  • ARUHI:「辻堂」

  • 東洋経済オンライン:「武蔵野市」


上記のように、SUUMOと生活ガイド.comでは「横浜」が1位だったものの、ほかのサイトでは1位がすべて異なる結果となりました。

「1位の〇〇駅に住んでるから嬉しい!」や「自分は〇〇駅を推したい!」などの好意的な意見がある一方で、「どこも自社に都合の良いランキングになってるよね」や「どれが正しいのか全然分からない」といった声も聞こえてくるようになってきました。

それでは、読者のみなさんは一体どのようにこの結果を見ればいいのでしょうか。

実は各社で調査方法が違う

先述の各社の調査方法について簡単にまとめると、以下の通りです。

  • SUUMO:インターネット調査(画面上にプルダウンリストを3つ設置し、都道府県→沿線→駅の順で絞り込む形。1番目から3番目まで住みたい街を選んでもらい、重みづけをして集計)

  • いい部屋ネット:インターネット調査(住みここちランキング:現在居住している街の満足度をもとに重みづけをして平均値を算出)

  • 生活ガイド.com:会員がマイページで設定した「住みたい街」の集計結果

  • ARUHI:「住環境」「交通の利便性」「教育・文化環境」「発展性」「コストパフォーマンス」の5つの視点から審査員が評価

  • 東洋経済:「安心度」、「利便度」、「快適度」、「富裕度」の4つの視点から、20のデータを用いて算出


どうしても結果ばかりが注目されるので、調査方法には目が行きづらいのですが、実は各社が保有するデータや知恵を絞ってオリジナルの調査方法を生み出しているのです。

方法が違うので、結果が異なってくるのも当然と言えるでしょう。

LIFULL HOME’Sの「住みたい街ランキング」はどう出しているのか?

せっかくなので、LIFULL HOME’Sの「住みたい街ランキング」の調査方法についても紹介させてください。

新しい住まいを探す方々の中には「今まで訪れたことのないエリアも含めて検討したい」という方もいれば、入社や入学、転勤などで遠方から移住するためにその場所の土地勘が全くないという方もいます。

そのような方々に参考にしていただくために生み出したのが「住みたい街ランキング」です。勤務地や学校などへの所要時間が計算しやすいよう、駅名での発表としています。

LIFULL HOME’Sは実際の反響(問い合わせ)数から出しているということで、「本気で住みたい」街ランキングであるという点が強みです。

アンケートの場合は、有名な駅名ばかりが上位になってしまったり、「ニューヨーク」なんていう現実とは乖離した理想の街が挙げられたりすることがあります。

しかし、LIFULL HOME’Sの場合はユーザーが「実際に調べて、問い合わせをした数」で集計を行っているので、“理想”ではなく“現実的”な結果となっています。

簡単に「反響数から出している」とお伝えしましたが、実はデータ抽出はとても大変です。理由は、以下のような駅名ならではの問題が発生するからです。

①同名だけど別の駅

「同名だけど別の駅」というのが日本各地に存在しています。例えば、「赤坂駅」は東京都・群馬県・山梨県・福岡県の4か所に存在しています。

もちろん東京都の「赤坂駅」を調べている人は福岡でも群馬でもなく、東京の「赤坂駅」に住みたいと思っている人なので、「赤坂駅」という名前で反響数を括らず、各「赤坂駅」の反響数を抽出する必要があります。

そこで、LIFULL HOME'Sではそれぞれの「赤坂駅」に違う駅IDを付与し、集計時の混乱を回避しています。

②都道府県が同じ、かつ駅名が同じ、でも場所が違う

先ほど「駅名は一緒だけど都道府県が違う」というパターンを紹介しましたが、「都道府県も一緒だけど場所が違う」というパターンも存在します。

例えば、長田駅(神戸電鉄)と長田駅(神戸市営地下鉄西神・山手線)では徒歩で22分ほど離れており、同じ駅とみなすかどうかはとても難しい問題です。

③駅名は違うが、とても近い距離に存在する

先ほどまでの「駅名は一緒だけど場所が違う」とは真逆となるのがこの「駅名は違うが、とても近い距離に存在する駅」のパターンです。

例えば、東京都の「半蔵門駅」と「麴町駅」は徒歩4分程度の距離です。また、「日比谷駅」と「有楽町駅」のように地下で繋がっているような駅もありますよね。

そのような「駅名は違うけどとても近い距離にある」駅たちをどのように定義するのかというのは、とても苦慮するポイントです。

毎年発表しているものなので、抽出条件に毎年揺れが出るようなことがあってはいけません。当社では上記のさまざまな問題についてチーム内で議論し、細かく定義をした上で発表を行っているのです。

「LIFULL HOME’S」では毎年2月頃にランキングを発表をしていますが、見かけた際にはこの裏事情を思い出していただき、ご笑覧いただけたら嬉しいです。

各社の特徴を踏まえ、お気に入りの調査を見つけてみては?

ということで、各社が自社データや知恵を絞ってオリジナル性を出しているのが「住まいのランキング」ということがお分かりいただけましたでしょうか。

ランキングの結果が違うことを怪しむのではなく、各社調査方法が違うことを理解したうえで、「自身にとって最も参考になる調査はどれなのか?」を探すことをおすすめします。

その中で、「LIFULL HOME’Sのランキングが参考になるよね」というユーザーが増えるよう、私もより一層有益な情報発信に努めたいと思っていますので、来年の結果もぜひ楽しみにお待ちくださいね!
<著者プロフィール>

新田周平
株式会社LIFULL

2013年LIFULLに入社、LIFULL HOME'Sのマーケティングやプロモーションの他、社内の新規事業制度を活用し、新規事業開発を担当、その後、2021年より「住みたい街ランキング」のプロジェクトマネージャーを務める。現在は、LIFULL HOME'Sの商品企画を担当。
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