復興祈念公園を巡り、震災伝承に貢献
同実験は、9月10日(土)~30日(金)と23年1月~3月の2フェーズで実施。東日本大震災伝承活動に貢献する自動運転サービスの実運用化に向け、サービス面および技術面の課題を抽出するとともに受容性を調査します。実証フィールドは、東日本大震災による犠牲者への追悼などを目的とした高田松原津波復興祈念公園。敷地には、奇跡の一本松や気仙中学校など震災の脅威を物語る施設が点在しています。
公園は東西約7kmにわたるため、徒歩ですべてを見学するのは困難。そこで、施設を巡る自動運転サービスの検証を実施します。
10人乗りのEVバスが巡回運行
使用する車両は、10人乗りのEVバス1台。自動運転OSのAutowareを活用し、あらかじめ計測したアイサンテクノロジーの高精度3次元地図を用いて最大時速19kmで走行します。ドライバーが運転席に乗車する非遠隔型自動運転で運行し、安全対策としてオペレーターも同乗するようです。
9月の運行ルートは、気仙中学校~奇跡の一本松~道の駅の予定。原則月曜日を運休とし、平日は巡回運行で誰でも乗車可能、土日祝は現地予約制とするようです。なお、来年のルートは道の駅以降にタピック45~下宿定住促進住宅を追加予定。
5社は、同実験を通じて、陸前高田市の震災伝承活動に貢献するサービスの実現を目指します。また将来的には、自動運転車を同市内の公共交通として展開し、地域コミュニティ形成などの課題解決も目指すとのことです。
自治体と連携したアイサンテクノロジーらの取り組み
アイサンテクノロジーはこれまで、ティアフォーや損害保険ジャパンらと共に自治体と連携した自動運転サービスの実証実験を重ねてきました。直近では、今年6月に愛知県の中部国際空港周辺およびモリコロパーク(愛・地球博記念公園)で安全・便利な自動運転サービスを検証。ビッグデータなどを活用した需要予測に基づく最適な配車やAIによるリスク検知などを実施しました。
また8月には、2024年の北陸新幹線小松駅開業を見据え、JR小松駅・小松空港間における自動運転バスの定常運行を目指す連携協定を石川県小松市と締結しています。
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(文・Higuchi)