生成AIと評価AIで最適なデザインへ近づく
「パッケージデザインAI」は、1000万人以上のデザイン評価をもとに東京大学との共同研究で作られたAI。デザイン生成と評価を繰り返す“生成AI”と、消費者のデザイン評価を予測する“評価AI”という2つのAIで構成されています。「生成AI」は、複数のデザインをアップするとAIが約1時間で最大延べ1000のデザイン案を生成。そのなかから消費者に好まれるデザインや、“かわいい”“おいしそう”などのイメージワードに合うデザインをランキング表示します。また、“30代男性”のように絞り込んだターゲットに好まれるデザインを生成することも可能です。
「評価AI」は、消費者がそのデザインをどのように評価するかを最短10秒で予測可能。今回発表された実証事業では、この評価AIを活用します。
好意度スコアやヒートマップなどでデザインを評価
同実証事業は、11月1日(火)~12月31日(土)の期間、兵庫県内に事業所を有する企業を対象に先着10社で実施。ただし、大企業および同システム利用企業は対象外です。参加企業は、自社で制作したパッケージデザインの画像をシステム上にアップすることで「評価AI」によるデザイン評価を確認できます。
評価結果として、好意度を5段階の加重平均値で予測した“好意度スコア”(属性別の算出も可)、デザインの注目度が高い部分を示す“ヒートマップ”、かわいい・目立つなど19のワードでデザインの印象を可視化する“イメージワード”などが表示されるようです。
導入メリットと活用事例
「パッケージデザインAI」は、売上アップにつながるデザインの創出はもちろん、デザイン開発にかかる時間とコストの大幅な削減も実現。消費者調査が不要になるため、時間・コスト削減とともに情報漏えいの懸念も解消されるといいます。今のところ、飲料・食品・医薬品・ビジネス書など51のカテゴリーに対応しており、すでに同AIを活用した商品も誕生しているようです。
たとえば、2021年9月に発売したネスレ日本株式会社の「ネスカフェ ブラック スティック セレクション」がそのひとつ。大王製紙株式会社の「エリエール消臭+トイレットティシュ―」をリニューアルする際には、会場調査にかけるデザイン案に同AIを活用し、それまで消費者調査にかかっていた1~2か月の期間を10~20分に短縮できたといいます。
最適なパッケージデザインを低コストで生み出す同AIの活用は今後も広がっていきそうです。
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「パッケージデザインAI」公式サイト
(文・Higuchi)