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川崎重工のロボット、自らドアを開ける。制御AI活用で行動範囲拡大へ

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自律走行ロボットの導入において、ドアの存在は大きなハードルとなっており、一般的な配膳ロボットのような台車からなるシステムでは、行動範囲が大きく制限されるといいます。

そんななか、株式会社Proxima Technology(以下、Proxima Technology)は、独自の制御AI「Smart MPC」を、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工業)の双碗自律走行ロボット「Nyokkey」に提供。

“ロボットが自らドアを開ける”というタスクを実現しました。

少ない体験から操作法を学習

Smart MPC(Model Predictive Control)は、非常に少ないデータ(体験)から操作法を学習できる制御AI。

MPC(モデル予測制御)と機械学習を組み合わせた技術で、MPCの欠点であるモデリングの難しさをデータドリブンな方法で解決します。

Proxima Technologyは、Smart MPCとSLAM(位置の特定と地図作成を同時に実行する)技術を用いたアルゴリズムを開発。川崎重工業の双碗自律走行ロボット「Nyokkey」に技術提供しました。

ロボットがドアを開ける際の課題を解決

腕のついた台車ロボットでドアを開けるというタスクには、さまざまな困難が存在します。

たとえば、「ドアと自分との位置関係の推定」「ドアノブの認識」「ドアや壁に当たらないような軌道の生成」「多様なドアの重量・形状に対する適応的制御」などが課題となっているようです。

Proxima Technologyは独自に開発したアルゴリズムの提供により、これらの課題を解決。さまざまな環境において、ロボットによるドア開けタスクの実現に成功しました。

今後はさらなる性能向上を目指し、AIの改良を続けていく方針です。

2本の腕で作業する「Nyokkey」

今回の取り組みで使用されたのは、人と同じように移動して2本の腕で作業する、川崎重工業の双碗自律走行ロボット「Nyokkey」。

LiDARとビジョンセンサーで自らの位置を把握するほか、自ら作成したマップ情報と周囲の環境をもとに、最適なルートを判断して走行します。

2021年1月には、川崎重工が藤田医科大学病院とスマートホスピタル構想の実現に向けた取り組みの1つとして、Nyokkeyの実証実験を開始。

病院内にてNyokkeyを活用し、同一フロア内での検体・医薬品などの院内物資搬送や、人のエレベータ操作補助を前提とした別フロアへの移動などをおこないました。

PR TIMES
株式会社Proxima Technology 事例紹介
川崎重工業株式会社「Nyokkey」
藤田医科大学病院 プレスリリース

(文・Haruka Isobe)

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