そんななか、2024年に国際宇宙ステーション(以下、ISS)で、遠隔から自律的に処置や手術をおこなえるロボットの実験が予定されています。
外科手術支援ロボット「MIRA」
MIRA(miniaturized in vivo robotic assistant)と名付けられた外科手術支援ロボットは、ネブラスカ大学リンカーン校と、同大学を拠点とするスタートアップVirtual Incisionによって開発されました。MIRAの重さは、約2ポンド(907グラム)。小型で洗練されたデザインで、宇宙空間にも容易に持ち運べる仕様となっています。
NASAが10万ドルの資金提供
MIRAのテストは、ISSでおこないます。NASAは、ネブラスカ大学リンカーン校に10万ドル(約1350万円)を提供。同大学の教授でVirtual Incision社の共同創業者Shane Farritor氏と学生らは、2024年のテストに向けてソフトウエアの開発などを進めていくようです。
宇宙飛行士がスイッチを入れるだけ
過去に、ヒューストンのジョンソン宇宙センターでおこなった実験では、900マイル(1448キロ)離れたネブラスカ大学リンカーン校の医療センターから、手術に似た作業をおこなうようにMIRAに指示しました。2024年にISSで実施する今度のテストでは、MIRAは手術に使うような仕草を自律的におこなう予定です。
操作は簡単。宇宙飛行士がスイッチを入れると、プロセスが始まり、ロボットが自動で作業するように設計されています。あとは2時間後にスイッチを切るだけです。
「人がますます宇宙へ行くようになれば、いつか手術が必要になるかもしれません。私たちはその目標に向かって努力しています」と、Farritor氏は述べています。
UNIVERSITY of NEBRASKA–LINCOLN
Virtual Incision Corporation
(文・K.Taichi)