開発しているカナダ・トロントのスタートアップ「Bionym」によると、Nymiは心電図を読み取る高度なセンサーを内蔵していて、そのデータを元に車や端末、オフィスの出入り口などの解錠を行えるようになっている。
■鼓動の間隔で識別
ユーザーはNymiを手首につけ、もう片方の手でバンドをさわることで心電図を“鍵”として使えるようになっている。このバンドを装着している間は、あらかじめ設定してあるデバイスなどと無線で連動し、いちいちパスワードなどを入力しなくてもアクセスできるというものだ。
これを可能にしているのが、鼓動の間隔などで個人を特定する技術。開発者によると、人によって心電図というのは異なり、虹彩や指紋などと同様、個人を識別するものとして使えるのだという。
■商業生産へ1400万ドル調達
BionymはこのほどシリーズAで1400万ドルもの資金を調達した。調達先には戦略的パートナーとなりそうな企業も含まれていて、これを機に商業生産へ歩を進めることになりそうだ。実際、すでに1万件ものプレオーダーを受注していて、今秋にもリリース予定とのこと。
Nymiが商品化されれば、消費者はいとも簡単に目的のガジェットや端末にアクセスできるようになる。いくつものパスワードやコードを管理しなければならない、というのはひと昔前のことになってしまうのかもしれない。
Nymi