また同時に、オリジナル操作UIを無償提供するプラットフォーム「ALL PLAYERS TOOL LAB」も公開。同プラットフォームで提供する3つのツールを活用し、ALS患者2名によるライブパフォーマンスを披露しました。
目の動きだけで操作できる3つのツール
ALL PLAYERS TOOL LABでは、第1弾として「EYE XY PAD」「EYE MIDI PAD」「SHOOTING PAD」という、目の動きだけで操作可能なツールを公開しました。「EYE XY PAD」は、Ableton Liveをベースに目の動きだけでリアルタイムなエフェクト操作やシンセサイザーの演奏が可能なツール。XY座標ごとに音階やリバーブエフェクトなど多様なパラメーターを仕込でおり、直感的な音色を出せるといいます。
「EYE MIDI PAD」は、リアルタイムな操作が難しいWindows Controlなどのツールでも、効率的な音源再生操作を可能にするツール。Ableton Liveの“セッションビュー”と連携することで、一般的なライブのMIDIコントローラーによる音源再生と同じ操作を実現できるようです。
「SHOOTING PAD」は、オンラインでの演奏時に発生する遅延に対応し、どのような遅延が起きてもタイミング良く共演できるツール。遅延を考慮した音声の再生タイミングを3次元UIの奥行き方向に可視化することで、遅延を考慮した音源操作を可能にしました。
会場を沸かせたライブパフォーマンス
これらのツールを活用してライブパフォーマンスを披露したのは、ALS患者のアーティスト武藤将胤さんとPONEさんです。2人のアーティストは、3つのツールを活用して約3カ月かけて楽曲を制作。カンヌライオンズでは、リモートで出演した武藤さんとPONEさんがリレー形式でパフォーマンスを披露しました。
パフォーマンスの終盤では、カンヌライオンズ会場に登場した女性シンガーが武藤さんとPONEさんによる演奏に乗せて歌声を披露。ラストには、武藤さんとPONEさんが目線で描いた「KEEP PLAYING」という文字が映し出され、力強いメッセージを発信したようです。
パフォーマンスが終わると、会場では3分を超えるスタンディング・オベーションが巻き起こったといいます。
Dentsu Lab Tokyoの取り組み
Dentsu Lab Tokyoは、研究・企画・開発が一体となったクリエーティブのR&D組織。デジタルテクノロジーとアイデアによる表現開発などで、社会の課題解決に挑んでいます。たとえば、テレビ番組「マツコとマツコ」にレギュラー出演している“マツコロイド”などを生み出した“アンドロイドプロジェクト”や、ヒトのセンサーである耳と機械のセンサーを同期することで“耳のインターフェース化”を実現する組織「33 Production(ミミプロダクション)」の設立などを手がけてきました。
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Dentsu Lab Tokyo
(文・Higuchi)