外注はデザイン性が高く自社のリソースをほとんど使わなくていいというメリットがある一方、コストが高かったり、成果物の仕様決めや、リリースまでに時間がかかったりするというデメリットもあります。
時間や予算に余裕があるのであれば、外注はいい選択肢ですが、サイトのリリースまでの時間が限られているときなどは「できれば社内で作ってしまいたい」と思うこともあるかもしれません。
そのようなときに便利なのが、ノーコードでウェブサイトを作成できるツール。そこで今回は、パワーポイントでスライドを作成する感覚でホームページを作れる「ペライチ」をレビューします。
ノーコードでホームページを作れる
ペライチは、株式会社ペライチが運営するホームページ作成SaaS。テンプレートを選択し、パワーポイントで作成したスライドを修正するような操作で、画像やテキストを調整していくと、簡単にホームページを作成することができます。テンプレートは、「用途・目的(コーポレートサイト、採用、イベント、キャンペーンなど)」「業種(美容・エステ、小売・卸売、飲食など)」「スタイル(動きがある、かっこいいなど)」の条件で絞って探します。
提供しているサービスやプロダクトのイメージに近いテンプレートを選ぶところから作成を始められるため、デザインやクリエイティブのイメージを一から考える必要はありません。
なお、制作に入る前に、プレビューで完成系のイメージを確認することもできます。
おすすめはビジネスプラン
ペライチは、5種の料金プランを提供しています。プランごとに管理できるページ数や、自社ドメインの利用可否、使えるオプション機能などが異なります。無料の「スタートプラン」は、1ページだけ公開できます。基本機能は利用できますが、自社ドメインが使えず、広告が表示されるので、ビジネス利用にはおすすめしません。
ウェブサイト運営に必要な最低限の機能を一通り備えた「ライトプラン」は、最大3ページ管理可能で自社のドメインも利用できます。月額1465円(以下すべて税込、年間一括払いの場合)です。
「レギュラープラン」は、最大5ページ管理することができ、ライトプランの機能に加えて、カード決済機能やアクセス解析などが可能。月額2950円です。
「ビジネスプラン」は最大20ページ管理可能で、オプションとしてウェブ予約やメルマガ機能を搭載しています。月額3940円です。「ビジネス+プラン」は、ビジネスプランよりも複雑な予約管理が可能で、月額6910円です。
まずは、30日間無料で「ビジネスプラン」を利用できるため、試してみることをおすすめします。試してみて、使わない機能があればプランを変更するか、継続利用するかどうか判断するのがよいでしょう。
直感的に操作できるUI
新規ページを作成するときの手順は、大きく分けて「テンプレートを選択する」「サンプル画像とコメントを修正する」「ブロックを調整する」の3つです。順番に紹介しましょう。
まずは、テンプレートを選択します。「使う」というボタンを押すだけで制作開始です。
続いて、テンプレートに残っているサンプルの画像とコメントを変更していきます。画像は「背景設定」から、コメントは「編集」ボタンから変更可能です。
私がとくに便利だと感じたのは、HTMLの知識無しで太字、文字色、文字サイズなどを編集できること。初めてでも、スムーズかつ直感的に操作することができました。まさに、パワーポイントで文書の修正をしている感覚です。
最後に、プレビューを確認しながら、不要なブロックを消したり、必要なブロックを足したりして、全体を調整していきます。
ブロックとは「見出し」「文書+画像」「ボタン」など、ホームページを構成するために必要な部品群だと理解ください。必要なブロックを選ぶだけで、本格的な機能を実装できます。
こうしてブロックを調整していき、納得いく形になったら公開するだけです。
公開後、「記載している内容に変更が生じた」「デザインを少し調整したい」といったこともあるでしょう。ペライチでは、公開後も上記のステップで簡単にページを修正することができます。
私の場合は、1時間程度で大まかな制作は完了し、そのあとPCやモバイルのプレビューを見ながら気になった箇所の修正をおこない、作業開始から3時間後にはホームページを公開することができました。
フォーム機能などの拡張性も
たとえば、採用イベントや社外セミナーなどのLPを作成したい場合、告知をおこなうページを作成するだけでは不十分でしょう。ペライチは拡張性が高いのが特徴のひとつで、応募フォームやイベント参加者向けのアンケートなども作成可能。「フォーム」や「メルマガ」など、ページを拡張するオプション機能をブロックとして用意しています(フォームはライトプラン以上、メルマガはビジネスプラン以上で利用可)。
フォーム機能は、入力項目、必須/任意、チェックボックス/プルダウンなどの選択項目を自由に設定可能。問い合わせや申込み、アンケートなど用途に合わせたフォームを作成できます。
また、自動返信メールや送信後の確認画面遷移も簡単に設定できます。
CAPTCHA(キャプチャ)の設置有無も簡単に設定できるため、知識がなくてもセキュリティ対策ができます。
メルマガ機能は、ホームページ上にメールアドレス取得用のフォームを設置し、あらかじめテンプレートに沿って作成したメルマガを指定した日時に一斉送信します。
ほかにも、ペライチでは、決済機能や予約機能などのブロックも用意しています。
決済機能や予約機能の実装には、専門知識のあるエンジニアが必要になるケースが多いですが、ノーコードでこれらの機能を利用できるのは便利です。
まずは、ベーシックに画像やコメントの修正から始めてみて、機能を追加したくなったときにこれらのブロックを使って拡張していくという方法がいいでしょう。
最初から本格的なページを作ろうと思うと大変ですが、ブロックで機能が小分けにされているため、少しずつ内製化していける点も魅力だと思います。
1分でわかる!ペライチまとめ
ペライチは、「難しい操作不要」「国産・日本語対応」「拡張性が高い」クラウド型のホームページ作成ツール。アプリの提供はありませんが、プレビューでモバイル用の画面の出来上がりイメージを確認できます。料金プランは、制作できるページ数や機能が異なる5種類。
画像や動画などの素材サイト「PIXTA」や「チャネルトーク」などのチャットツールとシステム連携ができます。
サポートの対応時間は、平日の10:00〜18:00。電話対応はおこなっておらず、問い合わせフォームより受け付けています(日本語)。その他、個別サポートやオンラインセミナー、ペライチ大学など、サポート体制が充実しています。
文・Makoto.S
国内ERP大手勤めを経て、株式会社SaaSドクターを設立。DXって?SaaSって?という中小企業の経営者に向けてSaaSの選定・安定利用に向けた支援をおこなっています。
利用イメージが湧かない、自分が勤めている会社には縁がないと思っているような方に、レビューを通じて、SaaSの魅力をわかりやすく届けます。