インフラの老朽化、待ったなし
近年、高度経済成長期に集中的に整備されたインフラの老朽化が加速しており、その対策は大きな社会課題です。そんなインフラのひとつ道路橋の数は国内に約73万橋。地方公共団体による定期点検では、点検結果の約6割が何らかの措置が必要な状態だったようです。また、国土交通省によると、建設後50年以上経過する道路橋は2030年に全体の約55%に達するといいます。
こういったインフラに対し、道路管理者は5年に1度の法定点検と目視などによる巡回監視といった維持・管理業務を遂行。2019年2月には、道路橋定期点検要領に「監視(モニタリング)」が明確に位置づけされました。
しかし、技術者不足・財源不足などにより維持・管理業務は厳しい状況にあるいいます。そんな状況を解決すべく開発されたのが「Infra Eye」です。
橋桁と橋台間の“すき間”を常時監視
同サービスは、自社開発したセンサーを道路橋の桁端部と橋台をまたぐ形で設置し、温度変化などに合わせて刻々と変状する橋桁と橋台間の“すき間”を24時間計測・記録します。同センサーで一定期間計測して日常的な変位の値を確認し、センサーごとにしきい値(境界値)を設定。計測結果は、管理者に毎日提示されますが、しきい値を越えた場合には自動でメールを送信する仕組みです。
同サービスによる遠隔監視は、道路橋定期点検要領に「監視」に対応するもので、維持・管理業務の課題解決に寄与します。
設置しやすく運用しやすい設計
また、同サービスのセンサーは、約5年間交換不要な電池で駆動するため電源・配線工事なしで設置可能です。ほかにも、多様な場所に設置可能な400gと軽量コンパクトな設計やIPX6の防水性能、センサー単体で通信ができることなどもポイントでしょう。同サービスは、初期費用(設置費込み)と定額費用で提供予定。定額費用には、センサーのレンタル料・通信料・メンテンナンス・計測結果閲覧システムの利用料が含まれます。なお、現時点で価格は未定です。
PR TIMES
株式会社パスコ
(文・Higuchi)