ガラス張り会議室の音問題
近年のオフィスでは、狭小かつガラス張りの空間でWeb会議をおこなうケースも多いでしょう。その際、人の声がガラスに反響するといった音問題が発生するといいます。反響音を抑えるためにグラスウールなどの素材を用いた吸音材を設置するという対策がありますが、ガラス張り会議室では意匠性を損なう可能性もあり、設置が進まない場合があるようです。
ガラスに貼れるクリアな吸音パネル
そこで開発されたのが「iwasemi HX-α」。両社の技術をかけ合わせて開発した、ガラスに貼れる透明吸音パネルです。同製品は、人の声に多く含まれるという500~1000Hzの周波数帯に特化した吸音構造設計を搭載。実際に同製品を導入した東京建物株式会社の一部の会議室では、この周波数帯の残響時間が約40%短くなり、話しやすい空間を実現したとのことです。
また、素材に透明なポリカーボネート樹脂を採用し、組み合わせによって多彩な表現ができるカラー展開にしたことで、空間デザインをアップデートするような設置もできるといいます。
PxDTの吸音材「iwasemi」
同製品に活用されているのが、PxDTの音響メタマテリアル技術と吸音設計技術を応用して開発された吸音材「iwasemi(イワセミ)」です。iwasemiは、任意の周波数帯で高い吸音率を実現する柔軟性、高い吸音率と薄型化の両立、素材の選択自由度と加工自由度の高さを特徴としています。このたび透明の樹脂で製品化されたのも、素材の自由度あってのことです。
なお、ABSやステンレス鋼などの素材でも高い吸音率を実現可能。こうした素材自由度によって、透明色を含むカラーバリエーションや表面処理によるテクスチャ表現といった意匠性、または優れた強度の吸音材を実現するといいます。
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「iwasemi」公式ページ
(文・Higuchi)