そこにくると、今回紹介する「Lenka」は異色である。世界的に著名なカメラマンKevin Abosch氏がフランスで開発したもので、とにかくシンプルな機能なのだ。
「Lenka」で使用するのは、スマートフォンの背面側のカメラのみ。また、撮影できるのは白黒のモノクロ写真だけ。カメラには、通常の仕上がりの“normal”と、白黒コントラストが強く出る“high-contrast”の2つのモードがあり、どういう写真に仕上げたいかで選択可能。
写真の編集でできるのは、“切り抜き”と“回転”だけ。フィルターなど加工調整できる機能は一切ない。ただし、“電球アイコン”をタップすると、撮影対象にライトをあててライトアップする機能があるという。一瞬光るフラッシュと違って、ライトを照射し続ける点が特徴だ。
同氏は既存の白黒写真アプリに満足できず、必要最小限の機能だけを搭載し、撮影対象の美しさ、白黒写真のシンプルさを追求したいと考えて、このアプリを開発したのだという。ゴテゴテとした便利機能を取り払って“マイナス”していくことで、精錬されたシンプルな機能が残った。まるで一昔前の伝統的なフィルムカメラのような撮影感覚を味わえそうだ。
撮影した写真は、email、Facebook、Twitterなどでシェアすることも可能になっている。iOS向けアプリの「Lenka」は、4インチスクリーン用の規格になっているため、iPhone 5、5S、5Cでの利用に向いている。アプリの価格は3ドル。シンプルだからこそ、対象の存在感を引き出し、本来の美しさが表現できるのかもしれない。
Lenka