“やさしい日本語”ページ制作の負荷
近年、在留外国人が増加傾向にあるなか、災害時や行政手続きなどに関する情報をより正確に伝える手段が模索されています。その手段として、ホームページにおいては多言語翻訳が一般的。しかし、外国人利用者からの問い合わせ件数が多く、対応に課題を持っているケースもあるようです。
そんななか注目されているのが、通常の日本語文章を単語・言い回しを工夫して簡単な日本語に変換した“やさしい日本語”の活用。ところが、通常ページとやさしい日本語ページを二重に制作・管理する負荷が課題となっているようです。
AIで高精度に“やさしい日本語”を生成
そこで日立社会情報サービスは、自動変換AIを活用した「『やさしい日本語』変換サービス」を開発しました。これは、運用中のホームページに起動リンクを設置するだけで、そこに表示されている文章をやさしい日本語へ自動変換するサービス。ルビ振り機能もあり、外国人だけでなく漢字を読めない子どもへの情報発信にも活用できるようです。
高精度な変換を実現するポイントは、単語ではなく文章全体を変換して自然な日本語を生成すること、ホームページごとにユーザー辞書を設定できること、継続的なAI機械学習を実行することだといいます。
同サービスはクラウドサービスのため、導入時に新サーバーは不要なうえ、申し込みから最短10営業日で導入可能とのこと。今後、官公庁・自治体を中心に民間・観光・医療・日本語学校などへも拡販する見込みです。
95年に始まり、今ではガイドラインも
やさしい日本語の始まりは、1995年に発生した阪神・淡路大震災。被災した外国人へ適切な情報を伝えるべく考案されました。2000年代からは、在留外国人の増加に伴いやさしい日本語のニーズも増加。2020年には出入国在留管理庁・文化庁が「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」を発表しています。
同サービスは、このガイドラインで定められたやさしい日本語を活用。たとえば、「防災訓練・避難訓練」を変換すると「災害が起きたときのために、安全に逃げる練習や、火を消す練習をすること」となります。
PR TIMES
「『やさしい日本語』変換サービス」公式ページ
(文・Higuchi)