この「Artificial Muscle Camera Lens Actuator」というシステムには、“electro-active polymers (EAP)、人工筋肉”という技術が使われている。「EAP」は電場が存在するときだけその形状が変化するもので、カメラレンズがイメージをキャプチャし、フォーカスするときに活躍する。「EAP」素材の性質は、人体の筋肉収縮作用と似たような働きをするのだという。
この実にフレキシブルに動作するカメラテクノロジーは、現状使われているモーター構造に比べ、よりスリムな構造を実現可能にする。さらなる軽量化や生産コストを抑えるメリットがあるほか、電力エネルギーの消費にもつながりそうだ。
円錐型をしたこのシステムでは、陽極と陰極、2つの異なる電極によって、カメラレンズを上下に動かしたり、人工筋肉を用いることで、レンズの開き、口径を調節することができるようになる。
カメラレンズに新風を吹き込みそうな新技術。Appleでは過去にも人工筋肉を使ったオートフォーカスレンズの開発を試みたものの、量産化のめどが立たず頓挫したことがあった。新たな技術開発によって進められたこの「Artificial Muscle Camera Lens Actuator」が、今後のApple製品に搭載される日も近いのかもしれない。
Artificial Muscle Camera Lens Actuator