なお、機内食への食用コオロギを導入する事例は国内初とのことです。
煮干しや干しエビのような風味が特徴
グリラスパウダーは、グリラス独自の製法で国産フタホシコオロギを粉末化した商品です。煮干しや干しエビのような風味とうま味が特徴。タンパク質の含有率が約76%と非常に高く、そのほかビオチンや葉酸、亜鉛、鉄分、カルシウムなども豊富に含んでおり、料理に少し加えるだけで、手軽に栄養素を補えます。
そんなグリラスパウダーをグリラスは今回、ZIPAIRの運航する国際線4路線の機内食メニュー「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」に使用。
トマトチリバーガーは、バンズとパティ、トマトソースにグリラスパウダーを混ぜ込んだもので、辛みスパイスを効かせたトマトソースが味の決め手です。
ペスカトーレは、トマトをふんだんに使用したソースにソフトシェルシュリンプ、たこ、いか、小柱が入ったパスタで、ソースにグリラスパウダーを加えています。
なお、2022年7月1日(金)より、上記2種メニューの事前購入を開始する予定です。
コオロギは環境負荷の低いタンパク源
人口増加に伴う飢餓や栄養不良といった食料問題への対応が課題となっている近年。動物性タンパク質の不足が顕著化している一方で、世界では年間約9.3億トンの食品ロスが発生しているようです。そんななか、FAO(国際連合食糧農業機関)はタンパク質の不足の解決策として昆虫食を推奨。昆虫は既存の畜産と比べてタンパク質の生成に必要な餌や水の量、温室効果ガスの排出量が少なく、環境負荷の低いタンパク源だといいます。
なかでもコオロギは雑食のため餌の制限が少なく、食品ロス由来の餌で飼育することが可能です。
これらの特徴からグリラスは、捨てられるはずの食品ロスを新たなタンパク質へと循環させることができる食用コオロギを「サーキュラーフード」と位置付けて、食用コオロギ関連事業を開始しました。
コオロギの「半自動飼育システム」を開発
これまでのコオロギの飼育方法は、採卵から収穫までをすべて手作業でおこなうという、生産コストがかかる方法だったため、産業として発展しにくいという背景があったようです。そこでグリラスは徳島大学および株式会社ジェイテクトと共同で、給餌・給水・収穫・清掃の4つの工程を自動化することで、生産工程を効率化するコオロギの「半自動飼育システム」の開発を推進。
2021年上半期にプロトタイプを導入し、現在も改良を重ねているとのことです。
今後もグリラスはこれまでの研究・飼育のノウハウを活かし、空間の最大活用と採卵から粉末化までの全自動化を実現した、コオロギの全自動飼育システムの開発を進めると語っています。
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グリラス
(文・Haruka Isobe)