柔軟な統計分析や機械学習を実現
LayerXが独自に開発したAnonifyは、さまざまなアルゴリズムから成るプライバシー保護技術。学術研究にもとづいた、客観的・定量的なプライバシー保護手法により、リスクを最小化した上でデータロスを最低限にとどめ、組織内に眠っていたデータの活用や外部への流通などを推進します。
具体的には、データセットに特定の個人の情報が含まれていてもいなくても同じような統計量を出力する「差分プライバシー」の技術を活用。
同技術により、出力から元のデータセットに含まれる個人を推測することが困難になるため、これまでプライバシー保護との両立が難しかった柔軟な統計分析や高度な統計モデル、機械学習などが可能になります。
また、もとのパーソナルデータの統計的な特徴を維持した架空のパーソナルデータである「合成データ」を生成するため、プライバシー問題を低減しながら、AIアルゴリズムの検証や学習を進められるでしょう。
データを活用した事業の立ち上げを支援
LayerXは、企業や行政、学術機関向けに、Anonifyを組み込んだデータ加工・抽出基盤を提供するソリューションをリリース。プライバシー保護に加え、同社が創業以来蓄積してきたプロダクトデザインおよびデータサイエンス・機械学習のノウハウにより、データを活用したサービス・事業の立ち上げを支援します。
そのほか、個人の識別・特定といったプライバシーリスクのシナリオを検討し、理論的に分析するリスク評価ソリューションや、LayerXにてプライバシー保護したデータ加工をクイックにおこなうデータ加工ソリューションなどを提供するとのことです。
パーソナルデータの利活用が進む近年
近年、位置情報やヘルスケアデータ、決済情報をはじめとするパーソナルデータを、企業や業界の壁を超えて流通・利活用する取り組みが増加しているといいます。たとえば、鉄道会社が乗客の乗車・購買履歴を統計化し、自治体や民間企業向けに提供することで、データドリブンな観光施策や地域活性化を支援するサービスを開始しました。
また、通信キャリアでは自治体や企業向けに、コロナ禍でニーズが高まる人流データを統計化・匿名化して提供する取り組みが加速しているようです。
このようにパーソナルデータを外部に提供する際は、プライバシーを保護する必要がありますが、現状は「どのような方法を使えばプライバシーが保護できるのか」「どれくらいの量や粒度のデータまで提供してよいのか」といった基準が定まっていないとのこと。
そんななか、LayerXはプライバシー保護したデータを継続的・効率的に外部提供することが可能な、Anonifyを組み込んだソリューションの提供を開始します。
PR TIMES
「Anonify」サービスサイト
(文・Haruka Isobe)