今回の資金調達により、同社の資金調達額は累計で約21億円強となります。
スマートにAI処理と画像・音声処理を実行
現在、多くのデータはクラウドで管理されていますが、IoTの到来で回線への負担が増しており、クラウドではサーバーとのデータのやり取りに時間がかかることがあるとのこと。そこで、クラウドの代替手段として注目されているのが、エッジ(機器の内部、またはごく近く)でデータを処理するネットワーク技術「エッジコンピューティング」だといいます。そんななか、ArchiTekは「エッジ」に最適なソリューション「aIPE」を活用した、エッジAIチップ「AiOnIc」を開発。
AiOnIcは、AI処理と画像・音声処理をワンチップで実現し、必要な情報やデータを低遅延でリアルタイムに検知・処理できるほか、小型・低コストの組込みシステムの構築が可能です。
また、冷却ファンが不要であることから物理的な不具合を起こしにくく、なおかつバッテリー駆動により、さまざまな場所に設置できるといいます。
独自のアーキテクチャ「aIPE」を搭載
AiOnIcに搭載されている、ArchiTek独自のアーキテクチャ(プロセッサの基本構造)の「aIPE」はハードウェア部品を動的に組み替えることで、さまざまなアルゴリズムに柔軟に対応する小型・低消費電力のソリューション。同時に複数の映像処理をおこなうため、監視カメラによる防犯や見守りなどに活用できます。また、カメラからの画像データだけでなくセンサーデータを同時に処理することにより、自動運転の安全性向上を実現。
そのほか、軽量・小サイズのICチップ搭載が可能なことから、超小型ドローンをはじめ、農業・漁業・林業の機械への搭載といった一次産業への展開、応用が期待できるとのこと。
資金をAiOnIcの量産へ向け充当
ArchiTekは、今回の調達した資金を、AiOnIcの量産のためのマスク製造費、AiOnIcに搭載する他社製の回路IP(知財)費、並びに関連するソフトウェア開発費へあてるとのこと。なお同社は、来年度中にAiOnIcの販売を開始することを計画しています。販売開始の際はAiOnIcだけでなく、AiOnIcを搭載したカメラモジュールやシングルボードコンピュータなどを発売する方針です。
今後もArchiTekは、より多くのユーザーが小規模から活用できるよう、鋭意開発を進めていくと語っています。
PR TIMES
ArchiTek株式会社
(文・Haruka Isobe)