価格は4万4800円のミドルレンジモデル。日本仕様と言われるおサイフケータイや防水・防塵に対応した、コストパフォーマンスの高い1台です。
Reno7 Aは、OPPO自身がSIMフリーモデルとして家電量販店などで販売するほか、au、UQ mobileやワイモバイル、楽天モバイルやMVNO各社が取り扱いを表明しており、期待の高さがうかがえます。
「右肩上がりに伸びてきた」Reno Aシリーズ
型番に「A」のつくReno Aシリーズは、グローバルメーカーのOPPOがあえて日本市場のために開発した専用モデル。グローバルで販売されている端末にはない、おサイフケータイや防水・防塵といった仕様を取り入れつつ、ゼロから日本向けに設計している端末です。初代モデルの「Reno A」を発売した際には、タレントの指原莉乃さんをテレビCMなどの広告に起用し、大きな話題を集めました。Reno Aシリーズは、その後、「Reno3 A」「Reno5 A」と続き、6月23日に発売するReno7 Aで4世代目になります。
日本に特化したコストパフォーマンスの高い端末という点が受け、オープンマーケット市場で好評を博したReno Aシリーズは、販売も順調に拡大。販売台数は「右肩上がりに伸びてきた」(オウガ・ジャパン 専務取締役 河野謙三氏)といい、累計出荷台数は130万台を突破しています。
機能からデザインまで日本向けの「Reno7 A」
Reno7 Aでは、日本向けという路線をさらに強化すべく、ユーザーのリサーチを徹底的におこなったといいます。日本のデザイン会社を入れ、日本市場にフィットするカラーや素材、形状などを模索してきました。「OPPO Glow」と名付けた、独特の背面加工はその1つ。キラキラとした光沢感があるボディですが、手触りはマットで指紋がつきにくいのが特徴で、確かにグローバルで販売されているミドルレンジモデルとはたたずまいが少々異なっています。
これまでは背面に搭載していた指紋センサーを画面内部に移動させたことで、背面がフラットになり、よりデザインとして完成度が高まった印象。画面内指紋センサーを実現するため、ディスプレイも液晶から有機ELになり、映像のコントラストが上がり、発色もよくなりました。
薄型化や軽量化にも、日本でのリサーチが生きています。
Reno7 Aは、厚さが7.6mm、重量が175gと薄くて軽く、手にフィットしやすいモデルに仕上がっています。おサイフケータイや防水・防塵といったわかりやすい機能だけでなく、デザインや手触りまで日本のユーザーの感性に合うように開発されたのがReno7 Aというわけです。
その意味では、ローカライズを一段推し進めた端末と言えるかもしれません。
また、スマホの機能の成熟化に伴い、ユーザーが1台のスマホを利用する期間は、年々長くなっています。
こうした利用動向に対応するため、OPPOではシステムのゴミを圧縮して、36カ月間使ってもサクサク感が保てるよう、ソフトウエアに改良を施しています。ユーザーサポートも強化しており、1台のスマホを長く利用するユーザーを取り込んでいく構えです。
取り扱いキャリアも拡大へ
こうした取り組みが功を奏し、取り扱いキャリアも拡大しました。Reno5 Aのときには、大手キャリアはワイモバイルと楽天モバイルの2社だけでしたが、Reno7 Aでは、この2社に加え、冒頭で述べたようにauとUQ mobileが販売をおこないます。日本では、キャリアを通じた販売の比率が圧倒的に高く、auやUQ mobileはシェアも大きいため、右肩上がりの成長は継続できる可能性が高そうです。Reno Aシリーズの中で、最高の売れ行きになることは間違いないでしょう。
ところで「OPPO Find X5 Pro」はどうなった?
一方で、21年に投入していた「OPPO Find X3 Pro」の後継機にあたる「OPPO Find X5 Pro」は、発売のアナウンスがありません。Findシリーズは、OPPOのフラッグシップモデルで、カメラやディスプレイなどに先進的な技術を盛り込んでいるのが特徴。Find X5 Proには、画像処理を行う「MariSilicon X」という独自開発のチップを搭載しており、真っ暗な場所でも、クッキリとした写真や動画を撮ることが可能。
メインカメラだけでなく、超広角カメラまで5000万画素と高画素なのも、同モデルの売りです。
すでにグローバルでは発売されているFind X5 Proですが、日本での発売がアナウンスされていないのは少々残念。
端末購入補助の制限がかかり、価格帯が高いハイエンドモデルの売れ行きは全体的に芳しくないだけに、販売台数を考え、日本での発売を躊躇している可能性があります。OPPOの技術力を示せる端末なだけに、今後の展開にも期待したいところです。
(文・石野純也)