フィアットやクライスラー、プジョーなどを傘下に持つ大手自動車メーカーグループのステランティスはこのほど、チャージャーが埋め込まれた道路でEVをワイヤレス充電するデモを行い、その有効性を確認したと発表しました。
昨年開設のテストコースで
ステランティスは昨年、パートナー企業と共に舗装道路の下に埋め込まれたコイルから走行中のEVを充電する技術をテストするコースを開設しました。以来、そのコースでテストを重ね、ダイナミック・ワイヤレス・パワー・トランスファー(DWPT)と命名された技術のデモを今回行いました。
急速充電器の効率に匹敵
デモはFiat New 500で実施。レシーバーを搭載し、高速道路と同じようなスピードで走行しても、バッテリーに蓄えられたエネルギーを消費することはなかったとのことです。ステランティスは、DWPTでの誘導充電は一般的な急速充電器の効率に匹敵するとしています。また、磁場の強さを測定し、ドライバーや歩行者の体に影響がないことも証明されているとのことです。
商業展開に関心
走行中に充電されるというのはつまり、バッテリーの減りを心配しなくてもよいことになり、実用化すればEVユーザーの利便性が大幅に向上することは間違いありません。もちろん実際に導入するには、費用対効果の見極めや、電気代をEVオーナーに請求するシステムの開発など、さまざまな課題があります。しかしステランティスは、「世界中から商業展開の関心が寄せられている」と明らかにしていて、期待は持てそうです。
テストコース建設の様子やDWPT構想についてのビデオはこちらのリンクから閲覧できます。
ステランティス
(文・Mizoguchi)