なお、今回のシステム開発は、同社が応募し採択された経済産業省補助事業「令和3年度次世代燃料供給体制確立に向けた技術開発・実証」の成果報告にあたります。
EV充電は公平な課金が難しい
現在の充電料金は、時間単位の全国一律での課金方式が主流となっているといいます。しかし、充電速度は充電環境や機種、蓄電池の状態、充電開始後からの時間によって異なるため、公平な課金方式になっていないという課題があるようです。
そんななか、デルタ電子は、EV用DC急速充電器に直流計量器を用いた、従量課金方式(計測した充電量から充電料金を算出する方式)に対応するシステムを開発しました。
EVに充電された分だけを正確に計測
今回デルタ電子が開発したシステムは、直流計量器を充電ケーブル側に設置することで、実際に充電された分だけを正確に計測し、充電料金を算出するというもの。2022年4月施行の「特定計量制度(国に事前届出をおこなうことを前提として、計量法にもとづく検定を受けない計量器の使用を可能とする制度)」に対応しており、充電利用者はスマートフォンのアプリから、料金・時間・残量などを選択して充電できます。
一方、サービスステーション(以下、SS)事業者は、契約している電力会社の料金体系やカレンダー、独自サービスに合わせて、時間毎に充電料金の単価を設定することが可能。
そのほか、充電器の動作状態や充電の使用状況などを見える化するサービス「Delta Grid Dashboard」の活用により、SS事業者が充電器の近くにいなくても利用状況を把握したり、故障診断を実施したりする環境を整えるといいます。
電力ロスが少ないDC急速充電器を活用
今回のシステムでは、デルタ電子が提供する「EVHJ503」シリーズ、「EVDJ25」シリーズといったEV用DC急速充電器を活用しています。50kW出力のEVHJ503シリーズは、デュアルポート設計により2台のEVを同時に充電することが可能です。
一方、最大出力25kWのEVDJ25シリーズは、省スペース設計を施した軽量仕様の充電器。「CHAdeMO(チャデモ)」、「Combo(コンボ)」の両充電規格に対応しています。
デルタ電子によると、両シリーズともに、交流から直流への変換効率が94%と高く、電力のロスが少ないとのことです。
全国のSSや公共施設への普及拡大を目指して
今後、デルタ電子はフィールドテストやテスト運用を実施し、利用者およびSS事業者からのフィードバックによる機能改善をおこない、全国のSSや公共施設への普及拡大を目指していく方針です。同社は「今回の開発成果を活用し、EVの充電インフラへのサポートを通じて、サステナブルな社会を目指すことで、SDGsの達成に貢献したいと考えています」と語っています。
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デルタ電子株式会社「EV/PHEV用 DC急速充電器」
(文・Haruka Isobe)