正社員不足は約5割弱、IT人材不足が目立つ
正社員について、“不足”と回答した企業は45.9%。前年同月から8.7ポイント上昇する結果となりました。業種別に見ると、「情報サービス」が約65%と最も高く、IT人材の不足が目立つ結果に。経済産業省が、2030年までに約40~80万人のIT人材が不足すると試算するなど、危惧されているIT人材不足は依然深刻なことが伺えます。
このほか、「メンテナンス・警備・検査」や「建設」、「飲食店」、「旅館・ホテル」などが人手不足率上位10業種となり、いずれも50%を上回る結果となりました。
非正社員不足は飲食店などで深刻に
非正社員については、27.3%の企業が“不足”と回答し、前年同月から6.7ポイント上昇。なお、人手が“適正”とした割合は約65%、“過剰”は約8%でした。業種別では、「飲食店」が約77%でトップ、次いで「旅館・ホテル」が約56%となっています。このほか、正社員と同様「人材派遣・紹介(約54%)」や「メンテナンス・警備・検査(約44%)」、「農・林・水産(約43%)」が上位10業種に入りました。
人手不足割合、コロナ禍前の水準に迫る
国内企業の人手不足割合は、新型コロナの影響で正社員・非正社員ともに一時落ち着きをみせました。しかし、緊急事態宣言解除などを受け経済活動が徐々に回復するなかで人手不足割合は再び上昇し、コロナ前の水準に迫ろうとしています。今回の結果では、正社員・非正社員の人手不足割合上位10業種において、「教育サービス(非正社員)」を除くすべての業種で前年同月より“不足感”が高まりました。
特に、「飲食店」と「旅館・ホテル」では、正社員・非正社員ともに不足割合の上昇が顕著。また「繊維・繊維製品・服飾品小売」でも、非正社員の人手不足割合が前年同月より大きく上昇しています。
帝国データバンクは、「こうした人手不足感の高まりを踏まえると、増加に転ずる可能性も否定できない」としており、人手不足解消に向けて積極的に取り組むことが事業継続を左右する大きなファクターとなり得るとまとめました。
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(文・Higuchi)