同社は今回調達した資金を活用して、複雑な細管を可視化、点検する「ミミズ型ロボット」および防爆性に優れ固液混相流体の混錬・搬送をおこなう「ぜん動運動ポンプロボット」の製品化を促進する構えです。
進入が難しい「曲がりくねった配管」
私たちの生活の周りには無数の配管が存在しており、なかには細く曲がりくねった配管も多数あります。しかし、現在の技術である最新鋭のドローンや工業用内視鏡において、複雑に曲がりくねった配管内に進入することは難しいとのこと。
現在、食品メーカーや化粧品メーカーが配管内の汚染を防止するために、多くの時間をかけて配管内を清掃しているものの、それにより工場のダウンタイムが発生し、機会損失につながっているといいます。
そのほか、配管内の傷などに蓄積された細菌による食中毒といった、リスクが懸念されています。こうした課題を受けて、ソラリスは「ミミズ型ロボット」を開発しました。
ミミズの移動運動を模倣したロボットが登場
ミミズ型ロボットは、ミミズの「ぜん動運動(体節の収縮と伸長の繰り返しにより前進する運動)」を模倣し、人間やほかのロボット機構では侵入が困難な細管内の走行、および映像による可視化を実現するロボットです。同ロボットにより、これまで確認できなかった配管内の状態を把握することができ、効果的な配管内清掃が可能となります。
また、本体が空洞である特徴を活かして、カメラ以外にもさまざまな検査装置や清掃機器をビルトインするといった使い道があるようです。
大腸のように動く「ぜん動運動ポンプロボット」
ソラリスはミミズ型ロボットのほか、「ぜん動運動ポンプロボット」も開発しています。ぜん動運動ポンプロボットは、独自開発の人工筋肉によりパイプ全体が人間の大腸のように動くロボット。
これまで難しいとされていた高粘度・固液混相流体の混合・搬送を実現します。
人の呼吸くらいの低圧で動作するため、内容物へのダメージが少ない状態での長距離移動が可能。また、固液問わず対応していることから、幅広い業界での活用が期待できるでしょう。
ミミズ型ロボット・ぜん動運動ポンプロボットの製品化へ
ソラリスは今回の調達資金を活用し、複雑な細管を可視化、点検するミミズ型ロボットを今夏に製品リリースし、インフラ・工場・プラント・ビル配管などの現場で進入が難しかった配管内の点検・清掃を実現するといいます。さらに、中期的な目標であるぜん動運動ポンプロボットの製品化を促進し、化学品・食品製造現場や土木・建設現場の省人化など、多くの業界から期待を集めているソフトロボットの実用化を目指す方針です。
PR TIMES
ソラリス「ミミズ型ロボット」
ソラリス「蠕動運動ポンプ」
(文・Haruka Isobe)