長時間操縦が必要な畔塗り作業
田んぼを囲む土の壁に田んぼの土を塗り、割れ目や穴を塞ぐ「畔塗り」は、田んぼの貯水機能を維持する大切な作業だといいます。丈夫できれいな畦作りには、畔に対してトラクターを平行に真っすぐ操縦できる高い技術力と、およそ 0.3km/hの低速で長時間操縦する体力が必要とされるため、オペレーターの負担が大きかったようです。
そんななか、トミタモータースは「FJD農機自動操舵システム」を中古トラクターに取り付け、畦塗りを実施しました。
誤差±2.5cmの操作精度を実現
FJD農機自動操舵システムは、FJDynamicsが開発した農業機械用後付け自動操舵システム。国内外メーカーの新旧トラクターや田植え機、移植機の自動操舵を可能にします。RTK-GNSS方式(基準点と観測点を同時に観測する測位方法)と、自社開発の高トルク高精度ステアリングモーターを採用することで、誤差±2.5cmの操作精度を実現。
10.1インチタッチパネル式高輝度ディスプレイを搭載しており、機材や作業経路の設定や制御ができるほか、作業履歴を記録・表示することができます。また、作業データは専用マイクロソフトクラウドに保管・共有するとのこと。
熟練者でなくても畔塗り作業ができるように
FJD農機自動操舵システムを追加したトラクターは、直進時のハンドル操作を自動化し、ハンドル操作不要で真っすぐに走行することが可能です。また、通常時対応車速は時速0.7~18kmですが、ホール型角度センサーを使用した超低速モード(別売り)では時速0.1~0.7kmで走行するため、低速作業が必要な畔塗りにも対応できるとのこと。
さらに、オペレーターによる操縦と比較して技術や体力を必要とせず、熟練者でなくとも畔塗り作業をおこなえることから、担い手の減少が進む農業における人手不足の課題解決が期待できるといいます。
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FJD農機自動操舵システム
(文・Haruka Isobe)