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Start Up フィンテックを支える「シブい」事業、債権管理・督促DXのLectoがめざすもの

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フィンテックを支える「シブい」事業、債権管理・督促DXのLectoがめざすもの

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さまざまなプレイヤーが参入して盛り上がりをみせるフィンテック市場。これら「お金」を扱うサービスには、債権管理や督促といった業務が必ず付随します。

そんな「裏方」業務のDXを後押ししているのが、「Lectoプラットフォーム」を提供するLecto株式会社です。取締役COOの芹沢圭佑氏に、現在の課題や同社のプラットフォームで実現できることなどを伺いました。

フィンテックサービスの現場で感じた課題

——債権回収に特化したサービスはめずらしいですが、会社設立の経緯についてお聞かせください

芹沢:Lectoは代表の小山 裕と私(芹沢)で共同創業したのですが、じつは私たちは前職でも一緒に仕事をしていました。

当時は後払い決済サービスや飲食店の無断キャンセルに対する保証サービスを運営しており、私たち自身が債権管理や督促回収の業務を行ったり、いろいろな企業の債権管理の現場に立ち会ったりする機会がありました。そのなかで、この業務における課題を感じることが多く、業界全体として変えていく必要があると考えました。

——どのような状況だったのでしょうか?

芹沢:サービスそのものは、スマホだけで完結するなどデジタルをフル活用したものであるにもかかわらず、回収作業はとてもアナログなんです。

たとえば、取り引きのデータベースが整っているのに、債権の管理や督促段階になるとそのデータをExcelに書き出したものを見ながら、上から順に1件ずつ連絡をしているといった状況です。

連絡手段も人力頼りで、会社の固定電話や社用携帯から1件ずつ電話をかけていたり、メールも人の手で個別に送っていたりという光景を多く目にしました。

この状況を改善し、債権管理や督促・回収業務をスムーズに行える環境を提供することで、フィンテック業界に携わる人たちがユーザー体験やサービスを改善する方向に集中できると考えました。

ルールを設定し、督促の連絡を自動化する

——そのためのサービスが「Lectoプラットフォーム」ですね。どのようなものなのでしょうか?

芹沢:簡単にいうと、債権管理から督促、さらにその後の回収や、消込み、償却と呼ばれる業務までをワンストップで行えるプラットフォームです。

ただし現状ではすべての機能はまだ提供できておらず、債権管理と督促回収に絞って展開している段階です。

具体的には、フィンテックサービスを提供している事業者が、Lectoプラットフォームに顧客データを登録し、督促のルールを設定することで、自動で督促をしたり、債権管理や結果の分析を行ったりできるようになります。


——自動督促はどのような方法で行うのですか?

芹沢:事業者側で設定したテンプレートを使い、メールやSMSを送ったり、自動で電話をかけたりできます。その際に、細かいルール設定を行えることが大きな特徴です。

たとえば、若い人にはSMSを使い、年齢層の高い人にはメールや電話を使うといった対象者の属性による切り分けもできますし、金額の大きい人には強めの督促を行い、単に支払いを忘れているだけの可能性が高い少額利用の顧客には軽くリマインドする内容の通知を送ることも可能です。

また、5日ごとに督促を送りつつ、15日目以降は強めの内容に切り替えるなど、督促の段階によって手段や連絡内容を変化させることもできます。

——連絡業務を自動化できるのは、かなりの省人化になりそうですね。

芹沢:単に省人化できるだけでなく、時間的な制約がなくなることも大きなメリットです。

人の手で連絡する場合は、基本的に営業時間内しか連絡ができませんし、同じ時間帯に連絡できる件数にも限界があります。これを自動化することで、たとえば会社員の方なら朝の通勤時間帯やお昼休憩の時間にSMSを送るなど、その方のライフスタイルに合わせた連絡が可能になります。

督促の対象となる方のなかには、単純に忘れていたり、クレジットカードの振込みがエラーになっていたといった、意図せず未払いになっているケースも少なくありません。そのような悪気があるわけではない方が、「連絡を見落としていた」という理由で長期延滞の状態になってしまうことを防ぐためにも、早期に適切なタイミングでコミュニケーションをとることはとても重要です。

スタートアップが本業に集中できるように

——このほかには、どんな機能があるのでしょうか?

芹沢:一連の業務を一貫して同じプラットフォーム上で行うことで、回収の効率を数値として可視化できるようになります。

期限からどのくらいのサイクルで回収が進んでいるのか、何件の督促を行って、そのうち何人が反応し、どの方法が回収につながったのかといったデータを、ダッシュボードからグラフなどで確認し、それをもとにより効率的に回収につなげる方法を模索できます。

私は過去に広告業界に携わっていたこともあるのですが、Web広告の運用では、ユーザーによって広告の内容や量、時間帯を出し分けることが当たり前に行われています。その考え方を取り込むことで、より効率的な債権管理・回収が行えると考えています。

——フィンテックといっても幅広いですが、実際に利用しているのはどのような企業が多いのでしょうか?

芹沢:決済系サービスを提供する企業のほか、商品のレンタルサービスや、サブスクリプション系サービスの企業にもお使いいただいています。

あるスタートアップでは役員の方が自ら債権回収業務に時間を割いている状況だったのですが、システム導入後はその方自身が債権回収に時間を使うことはほぼゼロになったと報告をいただきました。

もちろん、お客さまと直接コミュニケーションを取らなくてはならないケースも一部には残るのですが、工数が大幅に減らせたことで、有人対応が必要な場合のみ専任の担当が対応する運用に切り替えることができたそうです。

バックエンドの業務である債権管理に時間をとられてしまい、本来取り組むべきサービス改善や集客に注力できなくなるのは非常にもったいないことです。スタートアップで起こりがちなこのような問題の解消にも貢献できているのではと感じています。

オールインワンのサービスを提供していきたい

——今後追加したい機能や、新たに提供していきたいサービスなどあればお聞かせください

芹沢:今は債権管理・督促回収フローの一部にだけ対応している状態なので、その後のプロセスに関する機能も充実させていきたいと考えています。

たとえば、決済サービス側では銀行振込しか受け付けていない場合に、私たちのプラットフォームを経由することでコンビニ払いやスマホ決済での返済も可能にできれば、ユーザーの手間や負担を減らすことができ、回収効率の向上にもつながるはずです。

金融サービスの機能は本当に多岐に渡り、それぞれが複雑に絡み合っているので、それらをオールインワンで提供できるサービスとして進化していきたいと思っています。

債権とか督促というと、ドラマや漫画でも怖いイメージで描かれることが多いですし、どうしてもネガティブな印象があると思います。でも、本来はお客さまと接点をもつ重要な機能のひとつだと思うんですよね。

単に追い詰めるとか、威圧的にものを言うのではなく、どうしたらお互いの体験をよりよくできるかを考えて工夫していける分野だと考えています。

決済アプリなどのサービスに比べると「シブい」事業ではありますが、今後のフィンテックの成長を支えるうえで重要な役割を果たせるはずだと思っています。

(文・酒井麻里子)
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