“人がいる場所だけ”を暖める、局所的な暖房だという。システムでは、wi-fi通信するモーショントラッキング機能を用いて、建物内の人がいる場所を検出。そのデータはリアルタイムで即座に、天井に埋め込まれている熱放出バルブに送信される。天井のパネルに組み込まれた赤外線バルブは、人がいる場所だけにフォーカスし、ダイレクトに個人の周辺を暖めるという流れだ。
モーションセンサーが人の動きを感知するため、赤外線バルブは人の移動に合わせながら熱を放射する。そのため、人々は外がどんなに寒い環境でも、建物内では今までと変わらず、暖かく過ごすことができる。
ちなみに、アメリカ国内のエネルギー消費の20%を、商業ビル単独で占めているという。建物や室内全体を暖めるという“非効率的”な暖房システムから、必要に応じて局所的に熱放出をおこなうシステムに移行することで、エネルギー効率の劇的な向上につながり、無駄なエネルギー消耗を避け、コストもグンと抑えられる。
研究チームでは、このまま学術的研究として進めるか、スタートアップとして商業ベースにするのか、現在検討中だという。
また、暖房機能だけでなく、冷房機能の実装についても改良を進めている。もし実現化したなら、個人商店やオフィスから商業施設、大学を初めとする大規模施設など、画期的かつ効率的なエアコンシステムとして、あらゆる場所で活躍してくれそうだ。
MIT Senseable City Laboratory